日本ハム・上沢、2年ぶり2度目の開幕投手 楽天・マー君と対戦の可能性「胸を借りるつもりで」

[ 2021年2月16日 05:30 ]

15時15分。開幕投手発表のフォトセッションで上沢(右)の背番号を指さす栗山監督(撮影・高橋茂夫)
Photo By スポニチ

 日本ハムの栗山英樹監督(59)は15日、3月26日の楽天との開幕戦(楽天生命パーク)に上沢直之投手(27)を先発させることを明かした。開幕投手の通達に毎年意味を持たせる指揮官は、背番号15の右腕にちなんで15日の15時15分にタピックスタジアム名護のマウンド上で公表。2年ぶり2度目の大役を託された右腕は、指揮官と同じ入団10年目の節目の年にチームを優勝に導く大活躍を誓った。

 スコアボードの時計の針が15時15分を指した時だった。球団歌「ファイターズ讃歌」が流れ、上沢が一塁ベンチから登場。栗山監督が待つマウンドへ歩を進めると、大型ビジョンに指揮官が就任した12年から開幕投手を務めた投手の映像が流れた。粋な演出の後、栗山監督が「僕にとっても10回目の開幕。全てを懸けて戦うシーズン。ここにいる上沢投手に全てを託して戦ってまいります」と開幕投手を公表した。

 栗山監督は上沢の27歳の誕生日である6日に、上沢を球場内の監督室に呼んだ。ゴルフの青木功、テニスの松岡修造の精神的支柱となったことでも知られる行徳哲男氏の著書「感奮語録」(致知出版社)に直筆メッセージを書き込み、「もう1冊どうしても渡したかった」という森信三氏著の「父親のための人間学」(致知出版社)の2冊の本を手渡して2年ぶり2度目の大役を伝えた。上沢は「(レンジャーズに移籍した)有原さんが抜けて僕が引っ張りたいと思っていた。そこを目指して取り組んできたのでうれしかった」と自覚十分に話した。

 2本柱から有原が抜け、栗山監督が「全く迷いもしなかった初めての開幕投手。去年から決めていた」という今季の大黒柱だ。昨季上沢と並ぶチーム最多8勝を挙げたバーヘイゲン、メジャー通算13勝左腕アーリンらの来日の見通しは立っていない。指揮官は先発ローテーションについて「上沢、上沢、雨、雨、上沢」と冗談めかしながらも「本当に負担をかけるけど全てを背負ってくれ」とチームの命運を託した。

 前回開幕投手を務めた19年のオリックスとの一戦は、6回3失点で中田の延長10回サヨナラ満塁弾を演出。しかし、6月の左膝骨折で長期離脱する悔しい年となった。「ケガをした時は開幕投手どころか、試合で投げられるか分からないところから始まった。つらい時に支えてくれた人にいい報告ができるようにしたい」。楽天は田中将が開幕投手を務める可能性もあり、「漫画の主人公のような方。胸を借りるつもりで思い切ってぶつかっていきたい」と意気込む。期待される勝ち星は背番号以上。そうすれば優勝に近づいていくはずだ。(東尾 洋樹)

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月16日のニュース