10年前も「特別な大会」だった 「がんばろう日本」で思い出す選抜大会

[ 2021年2月4日 07:40 ]

<東北・大垣日大>アルプススタンドの応援席から2011年3月11日、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)で被災した東北ナインへ旗を振って応援する人々
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 第93回選抜高等学校野球大会が、3月19日から甲子園球場で開催される。京都国際(京都)、聖カタリナ(愛媛)など10校の初出場校を含む出場32校が頂点を競う。

 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、中止が決定。今回は組み合わせ抽選会が、2月23日に前倒しされ、リモートか代理で実施。甲子園練習は行わず、開会式も簡素化するなど、感染対策が徹底される予定だ。

 10年前の選抜大会も例年とは違った大会だった。2011年3月23日に開幕したが、大会直前の3月11日に東日本大震災が発生。地震と津波で多大な被害が出た上に、原発事故の発生で日本中が不安に包まれていた。大会開催が危ぶまれたが、18日の臨時運営委員会で全会一致で開催が決まった。「がんばろう!日本」をスローガンと決めた奥島高野連会長は「球児たちの真剣なプレーが被災地のみならず、日本にとって一筋の光になるはず」と復興のシンボルとして大会を位置づけた。

 開会式は簡素化され、応援の鳴り物が禁止。また計画停電などエネルギー対策に向け、ナイターを避けるため試合開始時間を繰り上げることも決まった大会。開会式で選手宣誓を務めた創志学園(岡山)の野山慎介主将は「東日本大震災で多くの尊い命が失われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです。(中略)がんばろう!日本。生かされている命に感謝し、全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」と思いを込めて、訴えた。

 決勝は東海大相模(神奈川)が九州国際大付(福岡)を6-1で下し、11年ぶり2度目の優勝を果たした。東海大相模からは菅野剛士(ロッテ)、田中俊太(DeNA)、渡辺勝(中日)の3人がプロ入り、九州国際大付からは高城俊人(DeNA)、三好匠(広島)がプロ入りした。

 他にも日本ハム・近藤健介、DeNA・乙坂智、中日・柳裕也(いずれも横浜)、阪神・北條史也、ロッテ・田村龍弘(いずれも光星学院)、阪神・高山俊(日大三)、楽天・釜田佳直(金沢)、阪神・坂本誠志郎(履正社)らも大会出場選手だった。

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2021年2月4日のニュース