プロでの成功は「イチ流」から 阪神ドラ1佐藤輝はレジェンドのルーティン学び「一流」目指す

[ 2021年1月9日 05:30 ]

<阪神自主トレ> チームスタッフに笑顔であいさつする佐藤輝(左)(撮影・大森 寛明)
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 12球団の新人選手対象の「NPB新人選手研修会」が8日、新型コロナウイルス感染防止のためオンラインで行われた。阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)は、侍ジャパン・建山義紀投手コーチの講義に感銘を受け、「イチ流ルーティン」の導入に意欲。残留が決まった巨人・菅野撃ちにも改めて意欲を示した。

 最高峰の舞台に臨む若武者にとって、日米通算499試合登板の建山氏の講義は胸に響くものばかりだった。野球に全てを注ぎ込む大切さ、目標設定の重要性、緊張を受け入れる方法、スランプの乗り切り方――。佐藤輝は経験談を踏まえて語られる建山氏の言葉に耳を傾けた上で、オンライン取材に応じた。
 
 「やはり、元プロで活躍されていた選手の話を聞けたのはすごくよかった。イチロー選手の話だったり、今後、役に立ちそうなお話を聞けてよかったなと思います」
 
 最も印象に残ったのは、幼い頃から憧れの存在だったイチロー氏の話題だった。ヤンキース傘下時代に1カ月間のキャンプをともに過ごした建山氏から語られたのは「毎日、同じ時間に球場に来て、同じ時間にトレーニングルームに足を運ぶ。同じ時間にグラウンドに出ていってウオーミングアップを始める。毎日、同じようにこなしていたルーティンがイチローさんの礎になったもの」というレジェンドの“日常”。それを伝え聞き、感銘を受けた。
 
 「毎日同じというのはなかなかできなかったです」。これまで自身にルーティンを取り入れたことはなかった佐藤輝だが、即座に考え方を変えた。「全体の話を聞いて成功するにはそういうことが必要なんだなと。(考えを)取り入れていきたいと思います」。語られた金言を自身の肥やしにすべく、「イチ流ルーティン」の導入も視野に入れた。
 
 この日、入団会見で対戦したい投手に挙げた菅野の巨人残留が決定。「全てがハイレベルな投手。いい投手から打てば余計に喜んでもらえると思うので。頑張ります」と改めて宿敵のエース攻略へ意欲も示した。そのためにも、さらなるレベルアップは不可欠。きょう9日からは、いよいよ新人合同自主トレも始まる。「まだ何も知らないので今はもう楽しみしかないです」。佐藤輝の戦いの日々が幕を開ける。(阪井 日向)

 【イチローの打席でのルーティン】

 <1>ネクストバッターズサークルで両足を相撲の股割りのように開き、両膝に手を置いて肩を入れるストレッチ
 
 <2>打席に入る前に力を抜いてバットをゴルフスイングのようにひと振り
 
 <3>つま先を立てて足首を右足、左足の順に回してほぐす
 
 <4>バットを膝に置いて屈伸1回
 
 <5>スパイクの側面を右足、左足とバットを当てながら打席に入る
 
 <6>左足で土をならす
 
 <7>内股ぎみに立って足場を決める
 
 <8>体の前で大きく回したバットを右手を伸ばして地面と垂直に立てて構え、左手で右袖を引く

 ○…イチロー氏は現役時代、生活全体が分刻みでルーティン化されていた。特に食事面では朝昼兼用で弓子夫人特製の具なしカレーを食べ続けたことで有名。所要時間は20分だった。遠征先では同じ店で同じ物を食べ続けた。これは試合前に食事によるストレスを感じるリスクをなくすためで、味が均一化されているチェーン店のメニューも好んだ。19年3月の現役引退後も生活のルーティンは継続。朝昼兼用の食事メニューは同年12月時点で「分厚めのトースト2枚とコーンスープ、ソーセージ2つ」。

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