米メディア 菅野の巨人残留の可能性と報道 コロナ禍で移籍市場停滞

[ 2021年1月7日 05:30 ]

残留が濃厚になった巨人・菅野
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 ポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指している巨人の菅野智之投手(31)が、米東部時間7日午後5時(日本時間8日午前7時)の交渉期限までに契約を締結しない可能性が高まっていると5日(同6日)、複数の米メディアが報じた。このオフの移籍市場は新型コロナウイルスの影響で停滞しており、シーズンの通常開催も不透明。菅野も巨人残留を視野に入れていた。

 交渉期限は日本時間8日午前7時。日米で菅野の動向に注目が集まる中で、スポーツ専門局ESPNのジェフ・パッサン記者が「菅野が交渉期限までに大リーグ球団と契約しない可能性が現実的となっている」と伝えた。

 元日に渡米した右腕は、代理人を務める米大手エージェント会社「ワッサーマングループ」のジョエル・ウルフ氏らと現地で合流。大リーグ球団との交渉を進めてきた。大リーグは昨季、新型コロナウイルスの影響で60試合にとどまり、今季も通常開催は不透明。残留を視野に入れる最大の要因となっていた。

 オフの移籍市場も財政面の圧迫で停滞。争奪戦の様相を呈している中で、4日に複数の米メディアがメッツ撤退を報じた。さらにESPNはこの日移籍先候補に挙がるジャイアンツ、レッドソックスから「期待するようなオファーを得られていない」と指摘した。パドレス、エンゼルス、ブルージェイズも候補に入っているが、「目立って積極的な球団はない」という。

 MLB公式サイトも「菅野はMLBチームと契約しない可能性がある」というタイトルで報じた。根拠としているのが、巨人が毎シーズン後に大リーグ挑戦を認める4年契約を提示したという米報道。譲渡金が発生しない海外FA権を得た2021年オフに、獲得に乗り出せばいいと判断したとされる。

 巨人との契約条件をツイッターに投稿したスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」の名物記者ケン・ローゼンタル氏は「大リーグ球団は(昨季年俸6億5000万円だった)巨人を上回る金額のオファーを出している」とも報じている。だが、菅野には巨人への強い感謝の思いもあり、ポスティングシステムの利用を申請した昨年12月から一貫して残留を視野に入れてきた。

 「これからもたくさん悩むと思うけれど、後悔のない選択をしたい。シーズンがどういうふうに行われるか、そこだけですね」と悩める胸中を明かしていた巨人のエース。残留に大きく傾いてきた。

 【菅野のここまで】

 ▼20年12月8日 巨人がポスティングの申請を行ったと発表。大リーグ全30球団との30日間の交渉期間がスタート。
 ▼同10日 菅野の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏が「多くのMLB球団が連絡してきた。強い興味を持たれている」と発言。
 ▼同23日 メッツが獲得に関心を持っていると地元紙が報道。
 ▼同27日 パドレス地元紙が「(パ軍が)既に菅野側と接触した」と報じる。
 ▼同28日 MLB公式サイトのジョン・モロシ記者がツイッターで「パドレス、ブルージェイズ、ジャイアンツ、メッツ、レッドソックスが関心を示している」と5球団を候補に挙げる。
 ▼21年1月1日 菅野が渡米。ウルフ氏と合流し、交渉やメディカルチェックを行うため。
 ▼同3日 モロシ記者が「ブルージェイズ、ジャイアンツ、メッツが移籍先候補」とツイート。
 ▼同4日 巨人が菅野に1年ごとに「オプトアウト(契約破棄条項)」が付帯された4年契約を提示と複数の米メディアが報道。
 ▼同5日 メッツ地元紙記者が「(メ軍は)菅野の交渉に参加していない」とツイート。
 ※日付は日本時間

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