東京六大学野球、各校4年生の進路…慶大・嶋田、最強の「営業トーク」で再出発、サントリー就職

[ 2020年12月27日 06:40 ]

慶大の嶋田
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 東京六大学野球リーグ各校の4年生の進路が出そろった。慶大の5番も務めた嶋田翔内野手(22)はサントリーに内定。野球は続けないが、プロ入りする同期生の活躍を願いつつ、サラリーマンとして新天地に臨む。

 嶋田は吹っ切れた表情だった。「野球への未練は一切ありません」。1年春からリーグ戦に出場し、昨年は4番・郡司(現中日)に次ぐ「5番・一塁」。最終学年は1年生・広瀬の急成長もあって先発こそ外れたが、右の大砲としてリーグ通算5本塁打を放った。社会人で野球を続ける同期もいるが、嶋田は社業にまい進する。

 一時はプロへ夢を抱いたが、春先からOB訪問を重ねるたび、自ら進むべき道が照らし出された。「仕事に誇りを持っている先輩ばかり。サントリーは熱い人の集まりなんです」。群馬・樹徳時代は主将で、慶大でも副将を務めるなど対話スキルには自信がある。希望職種は営業だ。先月から本格的に英会話の勉強もスタートさせ「将来はアメリカでバーボンの醸造過程を勉強したい」と目を輝かせる。

 最後の早慶戦は早川から代打で2安打。後日、楽天にドラフト1位で入団する黄金左腕から「嶋田に2本も打たれるとは…」と冗談交じりに声を掛けられ、胸が熱くなった。先発から外れても腐らず、夜間にティー打撃などで打ち込んだ努力が報われた瞬間だった。

 「2年秋には(明大の)森下さん(現広島)、入江(DeNA1位)からホームランも打てた。僕が打った人がプロでも活躍してほしいです」と嶋田。最強の「営業トーク」を引っさげ、再出発を切る。(伊藤 幸男)

 ◆嶋田 翔(しまだ・しょう)1998年(平10)10月3日生まれ、群馬県出身の22歳。神明小2年から野球を始めた。樹徳では捕手・主将として2年秋関東大会進出も高橋昂也(現広島)擁する花咲徳栄に敗退。3年夏は県大会8強止まり。慶大では2年春からリーグ戦に出場し、通算61試合で177打数42安打(打率・237)、5本塁打。1メートル82、85キロ。右投げ右打ち。

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