阪神 “7”不思議にはまった イニング別最多失点の7回に決勝点献上 サンデー7連勝ならず

[ 2020年8月24日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-4ヤクルト ( 2020年8月23日    神宮 )

<ヤ・神(12)> ヤクルトに敗れ肩を落として引き揚げる矢野監督(撮影・大森 寛明)
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 阪神は23日のヤクルト戦に競り負けて、夏の長期ロードを6勝8敗1分けで終え8年ぶりに負け越した。2―2の7回に救援したジョー・ガンケル投手(28)が決勝点を献上。6回2失点と力投した先発の秋山拓巳投手(29)も2回に投手・小川に適時打を許したのが痛かった。今季は7回にイニング別では最多の39失点。強みのはずの継投策がはまらず、矢野燿大監督(51)には厳しい戦いが続く。

 3試合連続で失点を喫した7回が、この日は敗戦に直結した。この回から秋山を救援したガンケルが1死から右前打、死球などで2死一、三塁とされ坂口と対峙(たいじ)。ツーシームで詰まらせた一塁左への打球は横っ跳びしたボーアのグラブをはじく内野安打となり、決勝の3点目を奪われた。

 「ガンケルも勝負に出た結果やし(岩崎)優もちょっとアンラッキーなところもあったし、みんな精いっぱいやった結果なんでね」

 矢野監督は選手をかばう一方で、悔しい負け方に表情をゆがめた。前回の登板でノーヒッターとなった小川から先制点を奪うなどし、最後まで勝利を追い求めた。1点ビハインドの8回にも勝ちパターンの一人である岩崎を投入したが、1死二、三塁から山崎に痛い中犠飛を許した。

 「魔の7回」になりつつある。この日の1失点を加え、今季のイニング別失点では7回はワーストとなる「39」。頼れる救援陣が存在しながらも勝敗を大きく左右する局面となっている。

 もちろん、敗因はこれだけではない。指揮官が「そこ(2回)はアキ自身も反省するところであると思う」と振り返ったのが2回。連打で無死一、二塁とされ投手・小川に右前に一時勝ち越しとなる適時打を浴びた。

 秋山自身も「昔と違ってピッチャーがどんどん振ってくる野球になった中で、ピッチャーの抑え方というのを、もうちょっと勉強しないとなと思う部分はあります」と猛省したが、投手に浴びた一打は結果的に大きなダメージとなった。

 日曜日は6連勝中(6勝2敗1分け)だったが「魔の7回」で「7」連勝はならず。8月7日の広島戦から始まった夏の長期ロードも6勝8敗1分けで12年以来、8年ぶりの負け越しとなった。

 借金返済から貯金――という狙いは崩れ、首位巨人とのゲーム差は6・5。ただ、シーズンはまだ66試合残っている。真夏の戦いはまだ続く。長旅を終えた矢野阪神は、12勝7敗3分けと好数字を誇る本拠地・甲子園で25日から出直しを図る。 (山本 浩之)

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