阪神・梅野 頑固に制した九州男児対決 今永と11球の名勝負

[ 2020年8月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-7DeNA ( 2020年8月1日    甲子園 )

<神・D>4回1死満塁、同点の2点適時打を放ちガッツポーズを決める梅野(撮影・大森 寛明)
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 何としても食らいついていく。

 阪神・梅野の“頑固さ”が勝った。

 「負けている場面でしたし、何とか追いつきたいという一心で打席に入った。自分の仕事ができて良かった」

 2点を追う4回1死満塁。難敵・今永を攻略したい場面で訪れた福岡県出身同士の九州男児対決。2学年先輩としても、負けるわけにはいかなかった。初球から積極的に強振。3球で追い込まれたが、ボール球を挟み、カウント2―2からが意地と意地のぶつかり合いだった。

 今永はカーブ以外の直球、チェンジアップ、スライダー、カットボールを駆使して勝負に来たが、梅野は体勢を崩されながらも必死にバットに当てて6球連続ファウルでしのいだ。一歩も引かない勝負が決したのは11球目。甘いチェンジアップを梅野はおよぎながらも食らいつき、三塁右をゴロで抜いた。

 一度は振り出しに戻す同点打。ベンチに向かって“ドヤ顔”でガッツポーズする姿からも強い覚悟が感じられた。3試合連続安打へ伸ばし、今季一番の不振だった西勇を援護。矢野監督からも「頼もしかった。粘ってしぶといヒットでつなげてくれたというのは、本当にムードが変わったので。チーム全体にとっても大きい、いいヒットでした」と称えられた。

 7月はリーグトップの月間打率・367で終了。月が変わって8月に突入しても勢いは止まる気配がない。守備面でもリーグトップの盗塁阻止率・615を誇り、今は攻守両面で相手に脅威を与えていると言っていい。

 開幕当初の“日替わり捕手”はもう過去の話だ。6月28日のDeNA戦からは27試合連続で先発マスクをかぶった。正捕手固定が借金8からの逆襲への原動力の一つになったように猛虎の再上昇には、梅野の存在が欠かせない。(長谷川 凡記)

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