阪神・福留が2安打 開幕スタメンへ大きく前進「自分の中でやるべきことができている」

[ 2020年6月13日 05:30 ]

練習試合   阪神3―3オリックス ( 2020年6月12日    京セラD )

7回無死、安打を放つ福留(撮影・後藤 正志)
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 阪神の福留孝介外野手(43)が12日のオリックス戦(京セラドーム)で2安打を放つなど存在感を示し開幕スタメンへ大きく前進した。この日、6月の練習試合で、不動の中軸を担ってきた助っ人トリオの“MBS”を初解体。「6番・左翼」でスタメン出場し今年初めて4打席に立った大ベテランが「6・19」を見据えて一気にギアを上げてきた。

 力強く引っ張った打球が一、二塁間を抜けていく。衰え知らずの43歳は、ゆっくりと一塁ベースを回ったところで代走を送られてベンチへ下がった。福留が試合終盤まで示した存在感。開幕へ向けてギアは明らかに切り替わったようだった。

 「自分の中でやるべきことができているし、打席をこなすこともできているので良かったかなと思います」

 1点劣勢で迎えた9回1死、オリックスの守護神・ディクソンのチェンジアップを捉えて右前に運んだ。その後、同点に追いつく起点を作る快音。7回の右前打に続く貫禄のマルチ安打で内容ある4打席を締めくくった。

 “動き”のあった日だった。2日から始まった練習試合で3人揃って出場した際には、クリーンアップを担ってきたマルテ、ボーア、サンズの“MBS”を初めて解体。矢野監督は「やってみるというのは1つの準備としてはちょうど良いタイミング」と説明した。近本を1番に置き、糸井を3番に据える新打線。背番号8はボーア、マルテの後を打つ6番に座った。

 今季初めて4打席に立って、守備では左翼に就き、8回まで守った。対照的にライバルのサンズは、指名打者で出場も3打席連続三振。「今日は4打席立たせてもらったというところ。最後まで守って、走ってと大きなケガもなくできている」と充実の“フル出場”を振り返った。

 指揮官も「元気やな。ホンマに。ああいう風に結果も出ると、孝介自身もより元気になると思うし。最年長やけど、元気な姿見せてくれてるので、頼もしく」と最敬礼。開幕前最後の3連戦の初戦で見せた躍動に「左翼・福留」が6月19日のスタメンに刻まれる可能性は一気に高まった。

 2年前の再現に期待が膨らむ。巨人の開幕投手を務める菅野からは14年から6年連続で安打を記録し、今年と同じ舞台設定だった18年の開幕戦では2回に左翼ポール直撃の先制2ラン。12球団最速のアーチを放ってエース攻略のきっかけを作り、5―1の快勝に貢献した。昨年も10打数3安打。通算で打率・316、4本塁打、9打点の数字が頼もしい。

 「(開幕へ)まずはケガしないことですし、打席の中で色々なシチュエーションがあるのでその打席ごとに考えたことができるように仕上げていきたい」

 99%でもない。100%の状態に作り上げ球界現役最年長は、今年も戦いの場に立つ。(遠藤 礼)

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2020年6月13日のニュース