夢の猛虎オールスター エースは村山実 クリーンアップはあの“バックスクリーン3連発”

[ 2020年4月13日 05:30 ]

バックスクリーン3連発(左から)ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布
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 今年で球団創設85周年を迎える阪神タイガース。開幕を楽しみに待つことができるように、スポニチが独断と偏見に想像力も働かせて、猛虎オールスターチームを編成してみました。それぞれの時代を築いた名選手たちがひとつに集結したら……。この選手は外せない、あの選手も入れたい。とてもじゃないが、9人には収まりません。読者の皆さんも本紙選定チームを叩き台にしてオリジナルチームを選考してみてはいかが。

 タイガースの85年に渡る歴史で、輝く一瞬をファンそれぞれが持っている。どの世代でも出てくるのは1985年4月17日、甲子園球場での巨人戦で飛び出した「バックスクリーン3連発」だろう。

 ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布の3連発。マウンドでぼうぜんと立ちすくむのは槙原寛己。リーグ優勝、日本一を果たすシーズンの象徴的シーン。85年以降に生まれた若いファンでも、ダイジェストや動画サイトなどで見た記憶はあるはずだ。

 「自分の後に、カケとオカがいるから、相手は勝負してくれる。だから思い切って振れた」と言うバースが口火を切り、「平常心で打席に入れた」と掛布が続いた。

 ストレート系を連打された槙原がスライダーを投じると、岡田はそれを狙っていた。「球場の雰囲気はあったけど、一発は狙ってなかった。狙ってたら、センターには飛んでない。でも、手応えはあったな」と振り返る歴史的瞬間。球史にも残るインパクト。ベストナインから、この3人はやはり外せない。打順も当時のままで行きたい。

 この年の監督・吉田義男を遊撃に入れると、最強内野陣が完成する。「牛若丸」の異名を誇った軽快な守備は、阪神に欠かせない。通算安打数では1864本。鳥谷敬の2085本よりは下だが、「永久欠番」「野球殿堂」「優勝監督」の3点セットで、メンバー入りだ。

 エースはやはり村山実。阪神の栄光も悲運も背負った大投手。村山の通算222勝を上回る小山正明(320勝)、社会貢献に取り組んだ選手に球団が贈る「若林忠志賞」に名を残す若林忠志(237勝)、そして江夏豊(206勝)が先発陣を形成。小林繁、ジーン・バッキー、ランディ・メッセンジャーらも加わってほしい。

 バッテリーを組むのはダイナマイト打線のメンバーだった土井垣武、85年の正捕手・木戸克彦、そして現阪神監督の矢野燿大らもいるが、やはりホームランアーティストの田淵幸一の描く放物線に期待したい。

 そして外野は85年の不動のトップバッター真弓明信。03、05年リーグ優勝の中心選手「鉄人」「アニキ」の金本知憲。残る1人は戦前の伝説の選手・景浦将を加えよう。

 1945年、フィリピンで戦死した景浦は、36年の入団から5年間プレーしただけだが、投打の二刀流で活躍。投手として最優秀防御率、最高勝率、打者として首位打者と2度の打点王に輝いた。「職業野球は沢村栄治が投げ、景浦将が打つことで始まった」と言われている。その打撃を見てみたい。

 DHは初代ミスター・タイガース、「物干し竿」の藤村富美男を指名。監督は62年、64年と2度のリーグ優勝を果たした藤本定義も候補だったが、阪神タイガースと言えば「六甲おろし」。その作曲をし、NHKの朝ドラ「エール」の主人公モデルになった古関裕而に決めた。巨人の球団歌「闘魂こめて」も担当しているが、この機会に猛虎の新曲も期待しよう。

 球団最多安打の鳥谷、2064安打の藤田平、1739安打の和田豊、ダイナマイト打線の一員で1527安打の金田正泰。そして赤星憲広、新庄剛志もメンバーに入れたかった。読者の皆さんなら誰を選ぶ?(鈴木 光)

 ○…阪神タイガース公式HPでも、5年前に球団80周年企画として、歴代ベストナインをファンの投票で決めている。延べ5000票を集めた結果は次の通り。先発・江夏、中継ぎ・ウィリアムス、抑え・藤川、捕手・矢野、一塁・バース、二塁・岡田、三塁・掛布、遊撃・鳥谷、左翼・金本、中堅・赤星、右翼・真弓、代打・八木。ネット投票で、最近の選手、OBでもテレビなどで登場する名前に票が集まっていたようだ。

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