阪神 高卒新人トリオ期間限定昇格!甲子園“凱旋”デビューへ指揮官「楽しみ」

[ 2020年3月6日 05:30 ]

プロアマ交流戦   阪神10-2大商大 ( 2020年3月5日    鳴尾浜 )

<プロアマ交流戦 阪神・大商大>9回無死二塁、適時二塁打を放つ井上(撮影・後藤 大輝)
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 阪神・矢野燿大監督(51)が5日、ドラフト2位・井上広大外野手(18=履正社)、同4位・遠藤成内野手(18=東海大相模)、同5位の藤田健斗捕手(18=中京学院大中京)を期間限定で昇格させることを明かした。鳴尾浜球場で大商大とのプロアマ交流戦を視察。それぞれの安打を見届け、7~8日の本拠地・甲子園球場でのオープン戦で“デビュー”させることを決めた。

 矢野監督は猛虎の未来を担う大器たちの勇姿に胸を躍らせた。視察した鳴尾浜球場。大学生に中盤5回まで無得点に抑えられたプロアマ交流戦の最終盤に見せ場が訪れた。

 「最後に出てきてね。1打席のチャンスでみんなが打ったっていうことは評価できる。すぐに使うっていう選手ではないにしても、やっぱり楽しみ」

 先陣を切ったのは井上だ。9回無死二塁で代打登場。カウント2―2から高めの140キロを捉え、右越えの適時二塁打にした。セールスポイントの長打力を披露。しかも5球目で初めて来た速球をひと振りで仕留めた。

 「バットを最短距離で出すことができた。(同期に)負ける、負けないではなく、自分のやるべきことをしっかりやりたい」

 続いて代打出場した遠藤も持ち味を発揮。2ボールからの速球をコンパクトなスイングで右前へ運んだ。「配球をしっかり読んで打てたのが良かった」。快打の後には二盗まで決めた。

 3人目は藤田だ。1死二塁から代打で出てフルカウントからの速球を中越えの適時二塁打。いずれも代打での1打席で結果を出し、初めて生で見た矢野監督に鮮烈な印象を残した。

 「井上にしても変化球で追い込まれて、1球の真っすぐをライトにね。遠藤にしても、自分のカウントになったところでしっかりしたスイングでヒット。藤田も追い込まれながらもああいうふうに打つとか。中身がスゴくしっかりしたものが出ていた。スゴい楽しみやし、見たいよね」

 以前から検討していた期間限定での昇格を正式に決定。井上と遠藤は7日の日本ハム戦から、藤田は8日の巨人戦で合流させる。無観客ながら、いずれも甲子園が舞台。呼ぶからには出場させることも決めた。

 井上は「(高3夏の)決勝以来、甲子園で野球をすることになる。バッティングをアピールできるようにしたい」と力を込め、遠藤は「先輩方のプレーをしっかり感じながらやっていきたい」と意気込んだ。藤田も「ワクワクしています」とヤル気十分。昨夏の甲子園大会を沸かせた黄金ルーキーたちが再び聖地に戻ってくる。(山本 浩之)

 ○…阪神の高卒新人選手のオープン戦出場は13年に藤浪が3試合に登板して以来。野手に限れば07年の野原将志が最後。2月25日のオリックス戦(高知)に「9番・三塁」で出場して二ゴロ、空振り三振、見逃し三振だった。ただ、野原は同年公式戦では1軍未出場。今季の高卒新人野手が公式戦でも1軍デビューすれば、97年の浜中治以来23年ぶりになる。

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