阪神・近本 “脱力打法”で「攻撃的2番構想」に2日続けて応える

[ 2020年2月10日 05:30 ]

6回1死二塁、右中間に2ランを放つ近本(撮影・坂田 高浩) 
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 余計な力みが感じられない、スマートな一撃だった。9日の日本ハム戦で2試合続けて2番で出場した阪神・近本がこの試合で唯一の本塁打を記録。矢野監督の抱く「攻撃的2番構想」に、2日続けて応えてみせた。

 「初球にアウトコースいっぱいのストライクを取られたので、次は内角の真っすぐか変化球だろうと思っていた。真っすぐにタイミングを合わせる中で、甘いところを打つことができました」
 0―7と大量ビハインドの6回1死二塁の場面。4番手・鈴木遼の2球目スライダーを振り抜くと、打球は心地の良い快音を残してぐんぐん伸び、右翼席中段付近に着弾した。文句なしの当たりにスタンドは拍手喝采だ。

 数日前から着手しはじめたのが“脱力打法”だ。「力を入れすぎないで振ってみようと。軽く打っています。うまく言葉にできていませんが、スムーズにバットが出るように…というイメージです」。パワフルなスイングではなく、スマートに見えるが力はしっかり伝わっている、というのが理想型。「今日の時点ではまだ全然できていない」と振り返ったものの、この日の一発に余計な力みは感じられなかった。

 今季チーム初の対外試合だった前日8日の中日戦では右中間三塁打を放っており、新たな取り組みの出だしは順調だ。また、この日はグリップエンドにスイングの軌道等を数値化できる器具を装着して打席に入るなど、試行錯誤をやめることはない。「(試した)その先に、なにかあるんじゃないかと」と、貪欲であり続ける。

 「2年目のジンクス」という言葉をはじめ、何かと“試される”ような空気がただよう今シーズン。決してブレることなく高みにまい進するその姿に、ファンの期待は膨らむ一方だ。(巻木 周平)

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2020年2月10日のニュース