広島ドラ2宇草 “プロ1号”「打った瞬間に本塁打と思うことはなかなかない感覚」

[ 2020年2月10日 05:30 ]

紅白戦の2回2死一塁、宇草は山口(左)から右越えに2点本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島ドラフト2位・宇草孔基外野手(22=法大)は、宮崎・日南キャンプ第2クール3日目の9日、今春初の紅白戦に白組「7番・右翼」で先発し、山口から右翼ポール際に“プロ1号”を放った。

 2回2死一塁、宇草は、カウント3―1から真ん中付近の直球を足を上げずに強振。軽くバットを放り投げて柵越えを確信した手応え通り、打球は強烈なライナー性のまま右翼ポール際に消える“プロ1号”となった。2打席目は曽根が好捕する強烈な二直。3打席目は遊ゴロに終わった全3打席には、確かな好感触が残っていた。

 「打った瞬間に本塁打と思うことはなかなかない感覚。2、3打席目の感覚もいままでとは違いました」

 高校時代は高く足を上げてタイミングを取っていたが、大学時代にすり足に変更。そして、朝山打撃コーチからの提案を受けて2日前から「ノーステップ打法」を採用した。同コーチは「シート打撃でも必ず右足が崩れていた。体重移動の意識付けの一環で取り入れたけど、数日でできる対応力がある。今日は100点」と説明して高評価を与えた。

 「下半身を使って振り切ることを意識した。これからフォームは何度でも変わるだろうし、挑戦することを大事にしている。打つためには何でもやる。まだ変えて数日なので突き詰めてやりたい」

 大学の先輩で侍ジャパンの稲葉監督が天福球場を視察した前での一発だった。侍候補の鈴木誠、会沢らだけでなく、後輩の打席チェックも目的の一つだったようで「見事な一発。私が見に来たときに本塁打を打つのは、何か持っているのかな…と感じる」と喜んだ。宇草は高校、大学と世代別の代表を経験している。「稲葉さんのような打者になりたい。成長していずれ代表に選んでいただけるような選手になりたい」。将来的な侍入りも新たな目標に加わった。

 50メートル5秒8の俊足に、大学4年春のリーグ戦で13戦4発した長打力も魅力のドラフト2位。朝山打撃コーチは「プロの中でも振る力がある方。1、2番よりも中軸を打てるように大きく育てたい」と構想する。豪快なプロ1号には、夢膨らむロマンがあった。
(河合 洋介)

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