マエケン 完璧救援で快勝貢献 「早めに勝負」19球で5人料理

[ 2019年10月4日 16:29 ]

ナ・リーグ地区シリーズ第1戦   ドジャース6―0ナショナルズ ( 2019年10月3日    ロサンゼルス )

ナショナルズ戦の8回を投げ終え、チームメートとベンチでタッチを交わすドジャース・前田(18)
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 ドジャースの前田健太投手(31)はナショナルズとの地区シリーズ第1戦、2―0とリードした7回1死走者なしの場面で登板。一人の走者も許さずイニングまたぎで7、8回と5つのアウトを取り、6―0の白星発進に貢献した。ド軍がポストシーズンを零封で勝つのは20度目、地区シリーズでは4度目。5万3095人の地元ファンの前で最高のスタートを切った。

 すっきりしたヘアスタイルで臨んだプレーオフ。「ここからワールドシリーズに勝つまで1カ月間あると思うので。この1カ月切らなくていいように、昨日切りました」。ピッチングもすっきり、さっぱりの内容だった。

 7回は5番ケンドリックをボールになる85マイル(約137キロ)のスライダーを打たせて右直、6番カブレラは高めの94マイル(約151キロ)直球で遊直。

 8回も7番ロブレス、8番ゴームズを、ともに85マイルのスライダーで見逃し三振と空振り三振。代打パーラを87マイル(約140キロ)のチェンジアップで一塁ゴロと仕留め、完璧なリリーフをみせた。

 5人の打者に19球を投げ、15球がストライク。早く追い込んでボール球を振らせ、強い打球もなかった。「短いイニングだと分かっているので、打者と早めに勝負していくのが大事。不利になればなるほど、打者が絞りやすくなる。しっかり打者と勝負し、自分有利に進められた」と満足そうに振り返った。

 7月末のトレードデッドライン、ド軍がトッププロスペクトを放出してブルペンを補強しなかったのは、前田がいたからだ。今季の前田は2433球を投げ、空振りが340個と14%を占める。これはメジャーで2000球以上投げた先発投手の中でコール(16・3%)、シャーザー(15・6%)、バーランダー(15・2%)、デグロム(15・1%)、カスティーヨ(15%)、ジオリト(14・8%)につぐ7番目だ。

 この空振りを奪うピッチングは、メジャー4年目の前田が今季、意識して取り組んできたこと。8月、こう話していた。

 「バットに当てさせないのが一番。バットに当たれば何かが起きる。こっちの選手はとにかく振りも強いし、パワーもあるし、芯じゃなくても強い打球が飛ぶ」

 ちなみに空振り率は、1年目は11%、2年目は11・9%、3年目は13・6%だった。

 今年の飛ぶボールだとなおさら空振りが必要。「僕が打撃練習していても、タイミングがずれても入る。野手ならもっと簡単に入るだろうなと。コロラドで打撃練習したら一番席の上まで行った。僕があそこまで飛ばせるなら野手はもっと余裕でいく」

 先発ではなく、リリーフ登板なら、短いイニングゆえペース配分も気にせず、どんどん攻められる。ゆえにさらに空振りが取れる。首脳陣が期待するのはそこだ。

 この日は19球で4個と21%が空振り。スライダーで3個、チェンジアップで1個の内訳だった。

 ナショナルズは2日前に一発勝負のワイルドカードゲームに逆転勝ちし勢いに乗っていたが、この日はわずか2安打で13三振と沈黙した。「勢いに乗っているチーム、しっかり初戦を取れたのは大きい」と前田。ブルペンの要として、過去2年は最後に手が届かなかった世界一になるまで空振りを取りまくる。(奥田秀樹通信員)

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