ダル 通訳なしで挑む理由とは…応対に辛らつ記者も「ブラボー」

[ 2019年2月15日 02:30 ]

カブス・春季キャンプ ( 2019年2月13日 )

約20人の米メディアを前に英語で取材に対応したカブスのダルビッシュ(撮影・奥田秀樹通信員)
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 【キャンプ追球 ここにFOCUS】米8年目を迎え、カブスのダルビッシュが「変化」を見せた。キャンプ初日のブルペンで39球を投げた後、約20人の米メディアの前に緊張の面持ちで立った。通訳を付けずに今季に臨む右腕は、英語で質問に答えた。

 「ケガなく32、33試合先発してカブスのために勝ちたい」「(移籍した)去年は20勝すべきとか思っていた。今年はいつもの自分でいたい」。質問の意味の確認で球団スタッフに2回助け舟を求めたが流ちょうに回答。二言三言と説明を加え、聞き手を納得させた。

 通訳を付けない理由は英語力をさらに向上させるため。数年前からチーム内での会話は英語だった。限られた取材時間で多くの質問に答えることもできる。通訳を挟むと5分で可能な質問は6、7個程度。この日は5分で17の質問に答えた。

 取材後、辛らつで知られるシカゴの記者から拍手や「ブラボー」の声が上がった。NBCスポーツのトニー・アンドラッキー記者は「聞く内容を即座に理解しているから返答も早い」と評価。ESPNのジェシー・ロジャース記者も「彼のような注目の選手にはアカウンタビリティー(説明する責任)がある。シカゴのファンも納得できる」と称えた。

 ダルビッシュは日本語で「めっちゃ汗をかいた」と苦笑い。故障に悩まされた昨季は1勝に終わったが、マウンドでも発する言葉でもシカゴのファンを満足させる。(メサ・奥田秀樹通信員)

 《長谷川&田口も》日本選手はニュアンスを正確に伝えるため、ある程度英語を話せても通訳を付けるのが通例。過去に長谷川滋利(元エンゼルス)、田口壮(元カージナルス)の例はあるが、日本人の主力選手で通訳なしは極めて珍しい。今年はマリナーズの菊池が英語で入団会見、エンゼルスの大谷が全米野球記者協会ニューヨーク支部の晩さん会で英語のスピーチを行い、話題となった。

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