データでみるV2のコイ路 若鯉躍動、強打線…記録ずくめ連覇じゃ〜

[ 2017年9月19日 06:10 ]

セ・リーグ   広島3―2阪神 ( 2017年9月18日    甲子園 )

<神・広>2年連続8度目のリーグ優勝を決め、胴上げされる緒方監督
Photo By スポニチ

 広島が79、80年以来2度目の連覇で8度目のリーグ優勝を果たした。マツダで45勝、逆転で41勝と本拠地での強さ、しぶとさは昨季同様だったがチームの新陳代謝に成功。進化でつかんだ連覇をデータで振り返る。(記録課・志賀 喜幸)

 緒方監督は就任3年で2度目の胴上げ。3年目までに2度以上のVは86〜88年森監督(西)の3度を筆頭に史上12人目で、球団初の快挙になった。また、外野手出身監督で2度以上の優勝は、10、11、14年秋山監督(ソ)の3度、12、16年栗山監督(日)の2度に次ぎ3人目。うち、連覇は秋山監督以来で、セでは緒方監督が初めてだ。

 投手陣では、期待の若鯉が飛躍した。入団5年目未満の日本人の合計勝利数を出すと、昨季の16勝から50勝に急増。昨季16勝の野村が9勝、同15勝のジョンソンが6勝と主戦格の白星が減少する中、3年目の薮田が14勝、2年目の岡田が12勝、4年目コンビの大瀬良と九里がともに9勝でVに貢献した。また、救援では昨季34Sを挙げた守護神の中崎が途中離脱も、その間に今村が23Sと奮起。主力の故障、不調もあったが、若手の成長で十分補った。

 攻撃陣を見ると、打率・274、147本塁打、108盗塁、706得点が全てセ1位と昨季に続く4部門制覇が濃厚。特に得点は、2番目に多いDeNAを162も引き離す断トツだ。2位に150点以上差でリーグ最多得点となれば55、56、68年巨人に次ぎ49年ぶり史上4度目と、突出した攻撃力が光った。その猛攻の火付け役となったのは、今季も「タナキクマル」の上位3人だ。1番・田中の32盗塁、2番・菊池の29犠打はいずれもリーグトップ。機動力と小技を駆使しチャンスをお膳立てすると、3番・丸がチーム最多の決勝打12本で応えた。また、丸は163安打と103得点がともにセ1位。得点を叩き出しつつ、チャンスメークもこなすマルチな活躍で強力打線の中心になった。

 不変の1〜3番に対し、主砲の4番は最多先発が昨季の新井から5年目の鈴木に代わった。4月11日の巨人戦で自身初の4番に抜てきされると同打順で98試合に先発。8月23日の右足骨折で終盤離脱も打率・300、26本塁打で丸に並ぶセ2位タイの90打点と重責を果たした。また、守備でも要となる正捕手が交代。昨季は石原がチーム最多の106試合でマスクをかぶったが、今季は会沢が102試合でトップになった。

 セで連覇中に先発4番の最多選手が代わった例はV9中の72、73年の巨人(長嶋→王)を含め今回が5例目。同じく捕手の最多出場者が代わったのも5例目となるが、主砲、正捕手という攻守の中心いずれも代えての連覇は広島がリーグ初だ。このように変化を遂げつつ2位とのゲーム差は昨季の17・5に続き11・0。2年連続2桁ゲーム差で連覇を果たせば65〜67年巨人(13→13→12)、12、13年巨人(10・5→12・5)に次ぎ3度目の快挙。若返りと進化を両立した首脳陣の手腕が光る連覇になった。

続きを表示

この記事のフォト

2017年9月19日のニュース