バンデン8回2安打零封で今季初勝利 頼れる男の復活劇

[ 2017年4月21日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク4―0ロッテ ( 2017年4月20日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>声援に応えるソフトバンク・バンデンハーク
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 ソフトバンクのリック・バンデンハーク投手(31)が今季初勝利を挙げた。ロッテ戦で今季3試合目の登板で150キロ超えの直球に落差の大きいカーブを織り交ぜ、8回2安打無失点、11三振を奪った。チームは3連勝で貯金1とし、ロッテ戦では今季負けなし、03年以来のシーズン6連勝とした。

 もう心配無用だ。今季2戦2敗、昨季終盤からトンネルを抜け出せなかったバンデンハークはヒーローインタビューに呼ばれ、ようやく笑った。第一声は「アリガトゴザイマス」。来日3年目。流ちょうな日本語だ。

 「バランス、リズム、腕の使い方。それぞれ小さなことだけど、2月のキャンプから取り組んだことが実を結んだよ」

 圧巻の投球は2回2死二塁だ。内角の150キロでダフィーのバットを根元から折って三飛。折れたバットは球威に押され後ろへ飛び、深谷球審の左上腕を直撃した。初回1死から大嶺翔、鈴木、2回は井上、パラデスと4者連続三振。打率1割台のロッテ打線とはいえ、最速154キロの直球を軸に押し、まるで大人と子供だった。8回2安打無失点11奪三振。三塁さえ踏ませなかった。

 「昨年、故障した股関節をかばいながら投げた」。昨季中盤に3カ月離脱した原因となった古傷に今季も悩まされていた。倉野投手統括コーチとキャッチボールし、細かなバランスのずれを修正する作業が続いた。3試合目。ようやく、取り組みに光が見えてきた。

 1、2年目はどこへ行くにも一緒だったアナ夫人が今季から遠征に同行せず福岡で帰りを待つ。知人も増えた妻に自由に使える時間を増やす気配り。それだけ日本は夫婦が、自然でいられる場所になっている。

 開幕ローテーションの6人全員に白星がついた。工藤監督は「バランスが合わないこともあったけど、感じをつかんでくれたかな」と目を細める。ロッテにダイエー時代の03年以来14年ぶりのシーズン6連勝。3連勝で貯金1と波は来ている。

 「2人(左肘張りの和田、右肩違和感の武田)が抜けたのは痛いけど、ローテーションを守れるようにやっていきたい」。離脱者多発の先発陣で千賀とともに軸となれる男の復活劇だった。 (福浦 健太郎)

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2017年4月21日のニュース