スタメン落ちで燃えた!高山意地打 金本監督あえて突き放した

[ 2017年4月21日 09:10 ]

セ・リーグ   阪神2―5中日 ( 2017年4月20日    ナゴヤD )

<中・神>8回表2死一、二塁、高山は左越え適時二塁打を放ち、一塁に滑り込む
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 阪神・高山俊外野手(24)が20日の中日戦(ナゴヤドーム)で今季初めて先発を外れた。金本知憲監督(49)は不振を理由にした措置だったことを明かした。逆転された直後の8回に代打で登場して左中間へ適時二塁打。2試合連続で逆転負けを喫した中、意地のこもった一打だった。21日からは敵地・東京ドームで巨人戦。先発復帰を見込まれる伝統の一戦での逆襲に期待だ。

 高山が打席へ送り出されたのは8回だった。形勢を逆転された直後の攻撃。2死一、二塁で梅野への代打に指名された。中日は三ツ間から岩瀬へ継投。2球目、外角低めへのスライダーを鋭く左中間へ打ち返した。二塁走者の中谷を1点差に迫る本塁へ迎え入れ、一気に二塁まで達した。

 普段はクールな男が二塁ベース上で両手をパーンと叩いて喜びを表現。一瞬の感情が思わず行動に漏れ出たのは左腕、通算402セーブを誇る42歳を打ったからか。連敗に沈んだ帰り道。報道陣からの「いい場面で打てた?」の問いかけに「はい…」と声を絞り出しただけ。静かに足早に歩いた。

 ベンチで戦況を見つめるのは開幕から16試合目で初めてだった。先発を外れたのは昨年8月16日の広島戦(京セラドーム)以来。2年目の大きな目標の一つだった「全試合スタメン」が4月にして早くもついえた。金本監督は難敵左腕の大野との対戦だったことを「もちろん」と理由の一つとして認めた上で「いま状態も良くないし、中谷の方がまだ期待できたという判断」と説明を加えた。

 過去3試合で計5安打。試合前の時点で打率・273だったように数字だけを切り取れば、決して大きな不調には見えない。ただ、開幕から16三振はチーム最多。計18安打のうち長打も2本しかなく持ち前のミート力とパンチ力を出し切れていないことも確かだった。

 金本監督はあえて突き放すように課した“1打席勝負”で示した一打に意地を感じ取った。「そういう気持ちがないと、これから進歩はない。その悔しさをどうやって(晴らすか)ね。いい意味で悔しい思いを持ったまま次に生かすか。もう、結果を出すしかないんだから」。単なるレギュラーの一人ではなく、将来の主軸候補と認めるからこそ要求は高い。乗り越えられる力があると信じての判断だった。

 昨季は右投手に打率・290、左投手に・242。オフから「苦手意識はないはずだけど、数字に出てる。試合に出続けるためには(左右の差を)埋めないといけない」と誓いを立ててきた。悔しい思いを繰り返さないためには結果で示すしかない。21日は巨人・マイコラスとの対戦で先発復帰が濃厚。意地の一打をきっかけに本領発揮といきたい。(巻木 周平)

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2017年4月21日のニュース