連敗止めた東大主将 社会人入り「神宮だけで満足しちゃいけない」

[ 2015年12月27日 13:00 ]

東邦ガスに進む東大の飯田前主将。東大の応援歌を指さす

 今年度の東京六大学野球リーグ4年生の進路が決まった。今春リーグ戦で連敗記録を94で止めた東大の飯田裕太主将(22)は、社会人野球・東邦ガスに進んで現役を続行する。誰よりも勝つ喜びを知る男が、さらに高いレベルの野球に挑戦する。

 勝つことの難しさ、喜びを人一倍味わった。東大から念願だった社会人野球へ。「後輩たちにこういう選択肢もあると示したかった。チームの勝利に貢献したい」。飯田は新たなステージを見据えながら言った。

 愛知の進学校、刈谷時代は2年夏愛知大会準優勝。神宮に憧れ、1浪の末に東大へ進んだ。入学時から一度も勝利を経験しないまま迎えた最終学年。主将として「10敗で終わるシーズンが続いて苦しかったが、いかにしたら勝てるか考えて下の学年にも働きかけた」。1メートル63と小柄だがパンチ力ある打撃でけん引し、春の法大1回戦でついに連敗がストップ。「やってきたことが間違いじゃなかったと分かった。他大学が東大の分析をしだしたと聞いて、対等に戦える存在になったんだとうれしくなった」と笑顔で振り返った。

 「他学部に比べ練習時間が取りやすい」という理由で農学部を選んだ根っからの野球小僧。「神宮だけで満足しちゃいけない。もっと高いところを目指す選手が出てきてほしい。そのために僕も頑張りたい」。赤門のプライドを胸に自分の道を切り開く。 (松井 いつき)

 ◆飯田 裕太(いいだ・ゆうた)1993年(平5)1月5日、愛知県知立市生まれの22歳。小3から野球を始め、知立中軟式野球部を経て刈谷では1年秋からレギュラー。2年夏の愛知大会準優勝。東大理科1類に進み、1年秋にリーグ戦デビューを果たした。リーグ戦通算72試合に出場し、打率・189、11打点。家族は両親。1メートル63、62キロ。右投げ右打ち。

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