巨人・高木勇 小児がんと闘う少年支援「勝ってる姿見せたい」

[ 2015年12月27日 10:38 ]

ファンと乾杯する立岡(左)と高木勇

 巨人・高木勇人投手(26)が26日、故郷の三重県で肝芽腫(かんがしゅ)という小児がんと闘う小学1年生の林蓮温(れん)くん(7)を支援していることを明かした。昨年からビデオメッセージを送るなどして励まし続け、今月帰省した際に初めて対面。1年目の今季9勝を挙げた右腕は、来季公式戦に蓮温くんを招待して勝利を届けることを約束した。この日は都内でファンとの交流イベントに出席し、2年目のジンクス打破を誓った。

 高木勇はうれしそうにほほ笑みながら蓮温くんを肩車した。今月、故郷の三重に帰省した際に実現した初対面。手術を乗り越えて元気になった姿に心を熱くし、「元気な姿を見られて本当にうれしかった。来年は試合に招待して、勝っている姿を見せたい」と決意を新たにした。

 昨年8月。蓮温くんは発症率が子供100万人に1人と言われる肝芽腫と診断された。副作用がある抗がん剤治療を続けて、今年1月には母・樹里さん(36)がドナーとなり生体肝移植手術を受けた。今年6月に退院。現在も通院と薬の服用を続けているが、小学校に通えるまでに回復した。

 昨秋、ある縁が2人を結んだ。高木勇の中学時代の担任教諭で、母・樹里さんの友人でもある高雄雅子さん(36)から蓮温くんの闘病について知らされ、支援の依頼を快諾。定期的にビデオメッセージを送り、サインボールをプレゼントしたりして、元気づけてきた。蓮温くんは「病気が治れば、高木さんに会える」と心の支えにして病気と闘ってきた。

 ルーキーながら今季9勝を挙げた右腕にとっても蓮温くんの存在が励みになっていた。3月29日のDeNA戦(東京ドーム)でプロ初勝利を飾った時には「おめでとうございます」とビデオメッセージをもらった。その後も蓮温くんから元気になっていく様子を動画やメールで受け取った高木勇は「絶対にしんどかったと思うけど凄い」と逆に勇気をもらい、活躍の原動力にした。この日は都内でファンとの交流を楽しんだ高木勇は「2年目のジンクスを上回るぐらいパワーアップしたい。今年10敗しているので、少しでも勝ちに変えたい」と力を込めた。

 蓮温くんは高木勇が登板する試合の初観戦を熱望しているという。三重で対面した際に「高木さんからの励ましは大事なものだった。元気になれた」と笑顔で感謝された右腕は「凄く力をもらった。来年はいっぱい勝ちたい」と飛躍を誓った。 (青木 貴紀)

 ◆肝芽腫(かんがしゅ) 子供の肝臓に発生する悪性腫瘍のひとつ。小児がんの中でも非常にまれで、日本での発症率は100万人に1人の割合ともいわれる。患者の大部分は幼稚園児以下。抗がん剤と手術の組み合わせでの治療が基本とされている。

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2015年12月27日のニュース