宮本 26日に引退表明 侍ジャパン次期監督候補にも浮上

[ 2013年8月26日 06:00 ]

<広・ヤ>ベンチで試合を見つめる宮本

 「一流の名脇役」がついにユニホームを脱ぐ。ヤクルトの宮本慎也内野手(42)が今季限りで現役を引退することが25日、分かった。26日に記者会見を行う。ヤクルト一筋19年で3度の日本一に貢献。昨季はプロ野球史上初めて通算2000本安打&通算400犠打を達成したが、今季は若手の台頭もあり、出場機会が減っていた。日本プロ野球選手会会長も務めるなど、幅広く球界に貢献してきた宮本には将来の指導者としての期待も大きい。

 グラウンド内外でリーダーシップを発揮してきた背番号6が、現役生活に終止符を打つことを決めた。宮本は25日の広島戦(マツダ)前に「球団があす(26日)そういう場所をつくっていただけるということなので、そこで全部話します」と語った。26日に自らの口で引退を表明する。

 コーチ兼任となった19年目の今季は5月中旬からチームが低迷し、現在最下位。若手中心の起用となり、7月中旬以降からは代打中心の起用が続いていた。昨季も一時引退を決意しながら小川監督からの慰留を受けて現役を続行した経緯がある。今月10日に衣笠剛球団社長兼オーナー代行に意思を伝え、了承された。

 宮本はヤクルトの「顔」としてだけではなく、04年アテネ五輪、08年北京五輪では主将としてチームをまとめ、06年の第1回WBCでは世界一に貢献。一方で05~08年は日本プロ野球選手会会長を務め、幅広い人脈で球界関係者からの信頼も厚かった。出場機会が減った今季も若手の見本となるために休日返上で練習に参加する姿は、チームの模範となっていた。

 球団も最大限の誠意で送り出す。球団幹部は「あれだけの功労者だし、もちろん引退試合は考えないといけない」と話し、本拠地最終戦となる10月4日の阪神戦(神宮)で引退試合を行う方向で調整を進めている。宮本も長年守り抜いてきた遊撃で有終の美を飾ることを望んでおり、「定位置」で最後の花道を飾る。

 今年1月には衣笠球団社長が将来的な監督就任を明言したが、来季はテレビ解説者として野球を外から見る予定。しかし、強烈なリーダーシップに加え、選手会との強いパイプもある宮本は、11月に台湾遠征を計画している侍ジャパンの新監督候補にも浮上する。次回17年の第4回WBCに向け、チーム編成は若手主体になる見込みだが、若い指導者に経験を積ませたい意向もあり、宮本は最適な人材といえる。

 「まだ3位がなくなったわけではないので、そこを目指して一つ一つ、みんなで力を合わせてやりたい」と宮本。CS進出を目指し、42歳は最後まで仕事を全うする。

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