「怖かった」菅野 思い出のハマスタで開き直り11勝目

[ 2013年8月26日 06:00 ]

<D・巨>2回1死一、三塁、巨人・菅野はセーフティースクイズを決める

セ・リーグ 巨人16―2DeNA

(8月25日 横浜)
 思い出の地で巨人・菅野がよみがえった。東海大時代に最後の登板となった11年11月2日の桐蔭横浜大戦以来の横浜スタジアムのマウンド。強い気持ちを胸に全力で飛ばした。初回からプロ自己最速の152キロを2度計測するなど、9球が150キロ超え。球数が100球を超えた7回も150キロを続け、4安打2失点でDeNA打線をねじ伏せた。

 「前回、凄くふがいない投球をしてしまった。きょうを迎えるのが怖かった」。新人王争いでヤクルト・小川に1差と迫る11勝目を挙げた右腕は、胸の内をこぼした。前回18日の中日戦(東京ドーム)は2回1/3を7失点と今季最悪の内容でKOされた。芽生えた恐怖心、順風だったルーキーに訪れた正念場。打ち勝てたのは苦しかった昨年1年間の浪人生活の経験だという。

 先発投手に与えられる中6日の調整期間。「たった6日やっただけで、何かができるような甘い世界じゃない。正直何をしたとか変えたというのはない」。それでも試合は待ってくれない。「腹をくくるしかない。去年に比べれば満足に野球ができている。投げたくても投げられない悔しさを味わったので」。プロ入り前に修羅場をくぐった23歳の開き直りだった。

 打っても2回に幸運なバント安打で3点目を加え、5回に右中間を破る適時二塁打と2打点。東海大時代はDH制だったが「去年は毎日打撃とバントはやってきた」。打撃面でも昨年の経験が身を助け、今季最多タイの21安打で16得点の猛打爆発に貢献した。

 東海大相模でも同球場で公式戦最終戦を迎えた。高校でも大学でも、9回に菅野が決勝点を許し敗れた。「高校、大学と思い出しながら投げました」。27日からの2位・阪神との直接対決を前に、投打でチームを再加速させた。

 たどってきた道のりも心の強さも、やはり並の新人ではない。

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2013年8月26日のニュース