打てないイチロー 6年ぶり4戦連続無安打 18打席音なし

[ 2012年7月6日 06:00 ]

<マリナーズ・オリオールズ>8回、空振り三振に倒れたマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ2―4オリオールズ

(7月4日 シアトル)
 天才打者が苦しんでいる。マリナーズのイチロー外野手(38)は4日(日本時間5日)、オリオールズ戦で4打数無安打。06年4月以来6年ぶりとなる4試合連続無安打の屈辱を喫した。6月30日レッドソックス戦の第5席以降、18打席無安打。チームの84試合消化時で打率・262、89安打はいずれも自己ワースト。6月下旬に好調の兆しを見せたが、再び深みにはまり込んだ。

 いとも簡単に凡退した。8回の第4打席。イチローは2球続けてファウルを打たされた後、3球目のカーブで空振り三振を喫した。前の3打席はいずれもバットの先に当たった遊ゴロ2つと左飛。全くタイミングが合わず、持ち前のバットコントロールが生かせない。それが06年以来6年ぶりの4試合連続無安打という結果を招いた。

 相手は06年にマリナーズからドラフト2巡目指名された24歳右腕ティルマン。8回まで打線全体が1安打に抑えられ、エリク・ウェッジ監督は「(4番の)ジェイソと(2番の)サウンダース以外、強くボールを打てていない」と嘆いた。その典型が1番のイチローであることは明白だ。

 7月はいまだ無安打。6月下旬に今季最長の8戦連続安打を記録し、今季の月間別最多32安打を放った。ところが1週間後には別人のような状態に…。好不調の波がいつになく大きい。要因は打つポイントのずれ。差し込まれて詰まったり、その逆でバットの先に当てただけの打撃が目立つ。

 それを補うために打席の立ち位置を変えている。今季は「ボールを長く見たい」と球の見極めを重視。過去11年間貫いた中央付近から一番後ろに下げて開幕した。が、ここ最近は頻繁に変更。6月19日には約60センチ投手寄りに移動し、同24日パドレス戦以降は30センチ後退。同27日にはさらに15センチ下がり、現在に至る。

 クリス・チャンブリス打撃コーチは「(速球系で沈む)シンカー全盛の時代。シンカーを見極めたいから捕手寄りに立つことは一般的なアプローチ」と代弁したが、結果が続かない。初めて3割、200安打を逃した昨年を上回る不振。自身最低となるシーズン171安打ペースだ。38歳という年齢的な衰えも指摘される。マ軍との5年契約が切れる今季。イチローが完全復活と言える日は訪れるのだろうか。

 ≪ワーストは5試合≫イチローの連続試合無安打のワーストは、05年7月31日インディアンス戦から8月5日ホワイトソックス戦にかけて記録した5試合。打席数も同年7月30日のイ軍戦第4打席から8月5日ホ軍戦第4打席にかけての24打席が最も長い。また今季の無安打試合は29試合目。前半戦で最も多かったのは昨季の30試合で、あと1と迫っている。

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2012年7月6日のニュース