あっぱれな1年に!イチ、張本魂Tシャツに今季への思い

[ 2012年2月20日 06:00 ]

12年目のキャンプイン。笑顔で練習するイチロー(左)と丸刈り頭を披露する川崎

 張本魂で「大あっぱれ」な1年に!マリナーズのイチロー外野手(38)が18日(日本時間19日)、12年目のキャンプインを迎えた。09年に3085本の日本最多安打記録を抜いた張本勲氏(71=スポニチ本紙評論家)の写真がプリントされた特製Tシャツを着用。今季に懸ける思いを込めた。シーズン200安打記録が途切れたことで、初心に帰って野球を楽しむ。さらに年齢への挑戦――。再びの200安打、そしてさらなる「大あっぱれ」な高みを目指す。

 キャンプ初日を無事に終え、会見に応じたイチロー。白い長袖Tシャツの胸元にプリントされた、縦横10センチ程度の写真について問われると、思わず笑みを浮かべた。

 「特注ですよ。おしゃれなTシャツですからね。センスだからね。メーンが張本さんであることは間違いない。素敵な写真ですね」。視線を向けたのは、77年9月3日のヤクルト戦(後楽園)で巨人・王貞治(現ソフトバンク球団会長)が、ハンク・アーロンを抜く当時世界一の756号本塁打を放った時の写真。背番号51が「素敵」と表現したのは後方で大きく、それも斜めに跳び上がった張本氏の姿だった。

 自分の記録でないにもかかわらず、わが事のように喜び大はしゃぎする姿勢。加えて当時37歳とは思えない跳躍力。かつてイチロー自身も「あのジャンプ力はハンパない。何かポテンシャルを感じますよね。斜めジャンプですからねえ」と話していた。この写真にこそ、今季を戦う上での熱い思いが凝縮されていた。

 昨季でシーズン200安打、打率3割、球宴出場、ゴールドグラブ賞の全てが10年連続でストップした。個人の連続記録という重圧から解放されたシーズン。チームメートのプレーに喜び、怒り…。より初心に帰って、野球を楽しむことができる。一方で今年10月には39歳。肉体的な衰えがささやかれ始めただけに、41歳シーズンまで現役を続けた張本氏に負けられない。周囲の雑音をシャットアウトする。そんな意気込みが込められた特注Tシャツだった。

 キャンプ初日もアップから先頭に立つなど、チームリーダーとしての自覚も十分。シーズンに向けての気持ちを問われると「何かをやる、やろうとする時は、不退転の決意でいきたいなと、思いますよね」と力を込めた。志は高く、決して屈しない。「大あっぱれ」な1年に向け、イチローがいよいよ動き出した。

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