黒田 広島に断り…メジャー残留決意、目指すは世界一

[ 2012年1月10日 06:00 ]

広島に断りを入れ、メジャー残留を決断した黒田

 ドジャースからFAとなり、去就が注目されている黒田博樹投手(36)が今季もメジャーでプレーすることを決断したことが9日、分かった。オファーを受けていた古巣・広島に同日までに断りの連絡が入った。FA市場の目玉となっている黒田には現時点でヤンキース、レッドソックスなど4球団が獲得に動いている。世界一を目指すことを選択したメジャー5年目右腕の決断の時は迫っている。

 交渉に当たっていた広島の鈴木清明球団本部長は「もう1年、向こう(米国)でプレーするようだ」と、黒田本人から断りの連絡が入ったことを明かした。ドジャースとの3年契約が切れた昨オフも獲得に動いた球団は今回、上限の3億円を超える破格の条件を提示。最大限の誠意を示したが、その思いは届かず、同本部長は「残念だが、仕方がない」と語った。

 黒田は昨季、ド軍でいずれもメジャー自己最高となる13勝(16敗)、防御率3・07の好成績をマーク。オフのFA市場の目玉として注目を集めたが「時間の許す限り、じっくり考えたい」と、古巣・広島への復帰も含めて熟慮を重ねてきた。

 今オフのメジャーの移籍市場は例年以上に動きが遅く、交渉は長期化。しかし、日本は2月1日のキャンプインまで3週間となり、自身の去就はチーム構想にも影響を及ぼすだけに、移籍先をメジャーに絞ったことでその意向を古巣に伝えた。

 黒田には複数の強豪球団が注目。レッドソックスは右肘手術明けで球宴明けの復帰が見込まれる松坂の代役として強い興味を示し、同地区のヤンキースも通算159勝右腕オズワルトらとともに獲得候補リストに入れている。このほか2年連続リーグ優勝のレンジャーズ、ダルビッシュの入札で敗れたブルージェイズも獲得に動いている。

 関係者によると、黒田はワールドチャンピオンを狙える球団を希望しているという。年俸1300万ドル(約10億円)前後とみられる争奪戦はいよいよ最終局面を迎える。

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2012年1月10日のニュース