逆転V諦めん!由伸サヨナラ打 サファテの直球叩いた

[ 2011年9月12日 06:00 ]

<巨・広>初単打で決めた!!9回2死一、二塁、サヨナラ打を放った高橋由(左)は長野と喜ぶ

セ・リーグ 巨人3―2広島

(9月11日 東京D)
 巨人は広島戦の9回、高橋由伸外野手(36)の中越えサヨナラ安打で劇的勝利を連勝で飾った。高橋由にとっては03年7月6日の中日戦(東京ドーム)以来8年ぶりのサヨナラ打。首位・ヤクルトにも簡単には離されない。残り30試合を切ったが、ペナントレースの行方はまだ分からない。逆転優勝を諦めないベテランのひと振りで、再び貯金を今季最多タイの3とした。

 9回2死一、二塁、2ボール1ストライク。高橋由は革手袋を直しながら自制した。直前の148キロ直球はファウルになり「力むより、力を抜いていこう。何とかミートしようと思った」。指2本分短く持ったバットで続く147キロの直球を捉えた。前進守備の中堅・赤松の頭上を越え、人工芝で弾んだ。

 8年ぶりのサヨナラ打。「縁がないかなと思ったけど、打ててよかった。ちょっと先っぽだったけど」。一塁を回って右手を上げたあと、背番号24の姿は歓喜の輪に消えた。

 中1日で東野を送りながらも2点を先制される苦しい展開。7回に大村、8回には亀井といずれも2死からの適時打で同点に追いついた。最後も2死から今季4度目のサヨナラ勝利。原監督も確信があった。「うちで一番、真っすぐに強いバッターだからね」。広島の守護神・サファテの直球を捉えた劇打を「粘って粘って1点、1点積み上げた。本当に全員で勝ち取ったという感じがしました」と振り返った。

 プロ14年で5本目のサヨナラ打。意外にも本塁打以外では初だ。天才打者が試行錯誤を重ねながら形作ったバットは、915グラムでグリップエンドが丸みを帯びた独特のフォルム。楽天の関川外野守備走塁コーチが、頼み込んで若手選手に使わせるほど、バランスのいい名品で、夢をつないだ。

 残り29試合。混セで逆転Vを狙う戦いにベテランの力が必要だ。「とにかくその日の試合を勝つだけ。まだまだ追いかけていかないといけない状況だから」。はしゃぎもせず、地に足をつけた高橋由がチームに勢いをつけた。

 ≪単打は通算5本目で初≫巨人は高橋由の中越え安打で今季4度目のサヨナラ勝利。高橋由のサヨナラ安打は03年7月6日の中日戦(本塁打)以来8年ぶり5本目。過去4本はすべて本塁打となっており、単打でのサヨナラ打はこの日が初めてだ。また、巨人でブランク7年以上のサヨナラ打は98年と06年に打った清水隆行以来になる。なお、今季の昼夜別成績を見ると、デーゲームで44打数17安打、打率・386の猛打。高橋由の活躍もあって、チームもデーゲームは16勝12敗(ナイター39勝40敗8分け)で貯金4をマークしている。

続きを表示

2011年9月12日のニュース