ノムさんも認めた「天才バカボン」 復活へ悪球打ち解禁

[ 2011年2月18日 11:14 ]

<楽天・久米島キャンプ>中村真のフリー打撃。ひざよりも下のボールをゴルフのように打ち返す

 ドカベンの岩鬼もビックリの悪球打ち名人が息を吹き返した。楽天・中村真人外野手(29)は、野村克也元監督(現名誉監督)が「天才バカボン」と名付けたほど、天才的な打撃センスが最大の売り。並の選手なら決して手を出さないボール球を簡単に安打にしてしまう。昨年のブラウン政権で禁止されていた悪球打ちが、星野新監督の下で解禁。勝負の5年目、得意技で外野の一角を狙う。

 フリー打撃。中村はどんなボール球も素早い反応でバットに当てて打ち返す。地面スレスレでも、高めの球でもだ。

 「これでも練習はボール球を振らないようにしてます。自分のストライクゾーンが広くなっちゃいますから。試合では反応しちゃいますけど」

 大好きな高めの球は、顔面付近の球でも反応する。バットを垂直に立てた構えから中村いわく「裏拳のように打つ」。左打者の中村にとっては右手の甲をぶつけるイメージだ。最短距離でバットを出し、完全なクソボールでも大根斬りで打ち返す。元首位打者の鉄平をして「高めを打つのがうまいというよりも、あり得ない」と言わしめる打撃センスを、礒部打撃コーチは「手と腰の動きが異常に速いから、球への反応も早い。他の選手では力が入らなかったり、間に合わない」と分析する。

 低めもそうだ。通常ならバットのヘッドがすぐに下がるアッパースイングになりがちで、球を「点」でしかとらえづらい。だが中村はヘッドを残したまま、バットを上からかぶせる意識でスイングする。地面と平行の軌道を描こうという意識が球を「線」でとらえることを可能としている。

 データ重視だったID野球の野村元監督も中村だけは特長重視。自由に打たせた。悪球打ちでボテボテの打球になっても俊足で内野安打を稼ぐ。ワンバウンドの球を安打にしたこともある。2年連続で出塁率は3割を超えたが、昨年はブラウン監督からボール球に手を出すことを禁止されて持ち味が消えた。わずか26試合で出塁率は・244。個性を最大限に生かす星野監督となり、再び悪球打ちが解禁され本来の姿を取り戻した。

 1球様子を見よう、が中村には通用しない。油断ができない男だ。 

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