由規もう154キロ!でも内容は「追試」

[ 2011年2月18日 06:00 ]

<ヤクルト・韓国サムスン>ヤクルト先発・由規が韓国サムスン打線相手に150キロを超える直球を連発するもピリッとしない内容に、ベンチで荒木投手コーチの話を渋い顔で聞く 

練習試合 ヤクルト0-1韓国サムスン

(2月17日 浦添)
 剛腕がうなった。スピードガンは、この時期としては異例の154キロを計時していた。それでもヤクルト・由規の表情は険しいままだった。

 「力みすぎました。力むから体の軸もぶれるしリリースも安定しない。ブルペンではできているのに」。今季初実戦となる練習試合、韓国サムスン戦。若き右腕は2回を2安打1失点に抑えた。しかし、習得に取り組むツーシームを11球投げたが、ストライクゾーンへはわずか3球。2回で3四死球など48球を要した。昨季161キロを投げた男にしてみれば、キャンプでは異例の154キロの数字も驚きには値しない。「直球に不安はない。立ち上がりだったり、ツーシームであったり」という自らの課題を何一つクリアできなかったことを猛省した。

 荒木投手コーチは内角へ切れ込むツーシームの狙いを「球数を減らすこと」とした。剛速球を持つ一方で制球難から球数がかさみ、プロ3年間でわずか2完投。「彼は完投しなきゃいけない投手。ツーシームを結果球にしてほしい。それがアウトならもちろんいいし、打たれてもその打者が終わればいいくらいに」として、打者の手元の微妙な変化で、打球を詰まらせる新球に期待を寄せていた。それだけに同コーチはこの日の内容に「ダメです。球速は気にしてない」と厳しく追試を課した。

 ただ球が速いだけではエースの称号は与えられない。「ツーシームはこれからも実戦でどんどん投げていく。武器になる」。前を向く由規が、エースへの階段へ挑んでいく。

 ▼ヤクルト・小川監督 初登板なので由規の悪いところが全部出たね。スピードはあったが制球はばらついたし、立ち上がりも悪い。ツーシームは武器になると思うが、そんな簡単にはいかないでしょう。

 ▼巨人・村田スコアラー 腕も振れているし、速い球の持ち主でその意味では順調な仕上がり。きょうはツーシームを試してるという印象。どれだけ制球できるかでしょう。

 ▼中日・前田スコアラー ツーシームを強気に投げていた。あれがものになると幅が広がる。彼には普通なのでしょうが、この時期に150キロを超えるのは凄い。

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