斎藤、来春キャンプは「ダル方式」放任主義!

[ 2010年12月18日 06:00 ]

潜在能力を伸ばす“放任育成”が決まった斎藤

 日本ハムのドラフト1位右腕・斎藤佑樹投手(22=早大)に対し、来春の沖縄・名護キャンプでは「ダル流」放任主義が打ち出されることになった。日本ハム・吉井理人投手コーチ(45)が黄金ルーキーの指導法について初めて言及。ダルビッシュ有投手(24)を例に、キャンプ中は指導を控え、オープン戦が開幕して実戦が本格化してからフォームの修正などに乗り出す考えを明らかにした。

 斎藤の新人合同自主トレの場所となる千葉・鎌ケ谷。同球場に自身のトレーニングのため姿を見せた吉井投手コーチが、斎藤の指導法、育成プランについて初めて言及した。
 「(春季キャンプ中は)あまり見るつもりはない。ブルペンも見るけど、ぼーっと見るくらい。しっかりとは見ない」。熱血指導について一笑に付した。
 理由は明快だ。「練習のときは自分の感覚(の中)で投球するもの。つまり練習用の投球をする。試合とは違う」と同コーチ。春季キャンプ中のブルペン投球はあくまで個々がテーマを持って投げ込む場との位置づけだ。だからこそ、ここで過剰な指導は無用という考えだ。その上で、「(ブルペンでの変な先入観がない方が話もしやすい。試合で投げるのを見て気づいたことを話した方が(互いの)接点もできる」との持論を展開。具体的な指導を行うのは、2月26日のロッテ戦(名護)から始まるオープン戦からだ。開幕まで約1カ月に迫り、先発ローテーションをめぐる争いが激化していく期間に、修正点を指摘していく。
 いまや球界屈指のエースに成長したダルビッシュも、そうだった。08年に日本ハムの投手コーチに就任した吉井コーチは、同年の春季キャンプ中のダルビッシュに指導を行うことはほとんどなかった。「ダルのときもそうだったから。試合を見て、いい球を放るなと初めて思ったぐらい」と振り返る。
 球界関係者には、早実時代の方が球に力があった、さらに現在は左足に体重が乗り切れていないと指摘する声も少なからずはある。ただ、あえて同コーチがキャンプ中に放任主義を打ち出すのは、その潜在能力を超一流と認めるからこそだ。さらに斎藤をめぐってはチーム内外の何人もの人間が斎藤にコーチング、助言しようとすることも予想され、斎藤が混乱するのを避けたい親心もある。
 あくまで首脳陣の期待は斎藤に開幕ローテーション入りしてもらうこと。吉井コーチは現役時代にメジャーで32勝を挙げたが、米国では「Dont over teach」(教え過ぎない、言い過ぎない)がコーチの基本。斎藤には「教えない教え」で、大きく伸ばす。

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2010年12月18日のニュース