イチロー“世界5位”に浮上!スピーカー超えた

[ 2010年9月30日 06:00 ]

初回、左前打を放つイチロー

 【マリナーズ3-1レンジャーズ】マリナーズのイチロー外野手(36)が28日(日本時間29日)のレンジャーズ戦で4打数2安打。今季67度目の複数安打で日米通算3515安打(日本1278安打、米国2237安打)とし、参考記録ながら通算安打数はトリス・スピーカー(インディアンスなど)を抜いて「大リーグ史上5位」に浮上した。10年連続200安打達成後も打率・318と好調。5年連続両リーグ最多安打に向けて勢いは止まらない。

 イチローに消化試合はない。初回、内角低めのカーブをすくい上げて左前へ流し打ち。今季206安打目を記録すると、5回には三遊間へ痛烈なゴロを放ち、飛びついて捕球した三塁手の送球よりも早く一塁を駆け抜けた。
 今季67度目の複数安打で、5年連続両リーグ最多安打へ独走。区切りがついても変わらない安打への姿勢を問われると「それ(200安打達成)で変わる意味が僕には分からないです。(安打を)出そうとすることは変わらないです」と淡々と話した。記録達成後は5試合で22打数7安打、打率・318。安打量産ペースは落ちてこない。
 モチベーションはぶれない。これで日米通算安打は3515本。メジャー屈指の中堅手として知られ3514本を放ったスピーカーを抜き大リーグ史上5位に相当する。米国ではあくまで参考記録。イチロー自身も日米3500安打達成時に「ややこしいですからね、僕の場合は。日米通算っていうのがついちゃうから」と意に介していないが、1本ずつ積み上げていけば、歴代1位のピート・ローズの通算4256本超えは十分可能。記録が近づけば、自然と「世界記録」について審議される日は来る。
 チームは来季を見据え、若手を次々に起用。「(台頭する)選手がたくさんいた方がいい」。周りは変わりゆくが、イチローは変わらず今季終了まで安打を重ね続ける。

 ◆トリス・スピーカー 1888年4月4日、テキサス州生まれ。1907年にレッドソックスでデビューすると、通算22年間でレッドソックス、インディアンスなど4球団を渡り歩き、28年に引退。卓越した打撃と広い守備範囲から、球界屈指の中堅手といわれ、首位打者1回、リーグMVP1回。通算2789試合出場で打率・344、117本塁打、1529打点。792二塁打は大リーグ歴代最多。インディアンスで監督を8年間務め、20年に世界一に導いた。左投げ左打ち、58年に70歳で死去。

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2010年9月30日のニュース