“雄星流”容認!2.13実戦デビューも

[ 2010年1月17日 06:00 ]

ダッシュする菊池(右)ら新人選手たち

 西武のドラフト1位左腕・菊池雄星投手(18=花巻東)が16日、埼玉・所沢の西武第2球場で2日連続のブルペン投球を行った。視察した潮崎哲也投手コーチ(41)は、今後の調整について菊池自身に任せる“雄星流”を容認。菊池本人も早期の実戦登板を希望していることから早ければ2月13、14日に予定されている紅白戦で実戦デビューする可能性が高くなった。

 前日の初ブルペンに続く連投は予定にはなかった。菊池が室内練習場のブルペンに向かうと、すぐさま大ギャラリーが集まった。潮崎投手コーチ、大石バッテリーチーフコーチら1軍首脳陣に、スカウト3人も加えた計8人。熱い視線の前で、黄金左腕は椎木ブルペン捕手を立たせたまま、計32球を投げ込んだ。

 「連投?きのう決めました。ビデオを見て、いい感じだったのでそれを忘れないように、と思って投げました」

 メニューにはなかったブルペン投球。それでも自分で判断し、臨機応変に調整法を組み立てる。高卒ルーキーとは思えない姿に、見守った潮崎コーチは「我流でやるのが一番。自分の投げやすいところでやる方が伸び伸びできるしね」とした上で、今後の調整に関して「こっちからとやかく言うことはあまりない。任せようと思っている」と自己流を容認した。キャンプでのフリー打撃、紅白戦登板などの予定も、本人の希望を聞いて決めるつもりだ。

 そんな首脳陣の方針に、菊池ももちろん異存はない。「僕もできれば実戦でやりたい。やっぱり打者を立たせた状態でやるのがいい。高校時代もそうでした。捕手だけだと“自己チュー(自己中心的)”になっちゃうんで」。20日のスタッフミーティングで正式決定するが、紅白戦スタートは13、14日の週末からを予定している。菊池の調整が順調に進めば初戦の13日、もしくは多くのファンが訪れる14日に登板する可能性が高い。14日の日曜日はバレンタインデー。まさに黄金ルーキーの実戦デビューにふさわしい舞台だ。

 「打たれると思うけど、紅白戦で打たれるのは当たり前。シーズンでいい投球ができればいい。そのためにも実戦をどんどんやりたい」と菊池。この日のブルペン投球でも、途中から疲労を感じた状態であえて投げ続けた。「案の定バランスを崩したけど、課題も見つかった」とはいかにも菊池らしい。テーマにしていた腕の振りも「いい感じです。しっかり上から叩けているし、今の角度でいいんじゃないかな」と手応えを感じている。
 日々これ進歩。順調な調整の先に、次なるステップとなる実戦デビューが待ち受けている。

 ▼大石バッテリーチーフコーチ 立ち投げ程度なのであまり言えないが、腕の振りが非常にしなやか。ちょっとしっくりこなかった部分もあったみたいだけど、あれだけ放れればね。
 ▼森打撃コーチ バランスを考えながら投げているような印象だった。とにかく下半身がどっしりしてるね。18歳にしては凄いよ。
 ▼椎木ブルペン捕手 本人は「きのうの方が(投球は)良かった」と言っていた。マウンドでの雰囲気を持ってるね。一流のオーラのようなものを感じた。ボール自体も、ここ何年かで入ってきた投手と比べても違う。

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2010年1月17日のニュース