“若すぎる死”悼む声…長嶋氏「頼りがいある投手」

[ 2010年1月17日 19:41 ]

阪神でもエースになった巨人エース 小林繁氏が死去

涙こらえる梨田監督「本当に信じられない」

 巨人、阪神で活躍し、2度沢村賞に輝いた現日本ハムの小林繁投手コーチが17日、57歳で死去した。
 巨人の長嶋茂雄監督の初優勝に大きく貢献した一方、「江川事件」で電撃トレードされて悲劇のヒーローになるなど、波乱に富んだ野球人生だった。キャンプを直前に控えたこの時期の突然の悲報。ともに今季を戦おうとしていた日本ハムの梨田昌孝監督ら、球界からは若すぎる死を悼む声が相次いだ。

 ▼日本ハム・梨田昌孝監督の話 会ってから丸1日たっていないわけだから、本当に信じられない。まだ亡くなった感じがしない。1軍で一緒に戦えるのは近鉄以来で、本人も燃えていた。若い芽をどんどん育ててほしいと思っていた。

 ▼阪神・南信男球団社長の話 突然の訃報に大変驚いております。年代が近かったこともあり、親しくさせていただいていました。ご冥福をお祈りいたします。

 ▼阪神・真弓明信監督の話 びっくりした。現役でも(阪神で)一緒にやって、近鉄でもコーチで一緒にやらせてもらった。野球に対して熱いし、いい理論を持っていた。気も使うし、頭の回転の速い人。決して恵まれた体ではなかったが、気で投げる投手だった。

 ▼阪神・久保康生投手コーチの話 細い体からは想像もできないほどの熱血漢で、若い選手を熱心に指導されていたことを思い出します。(近鉄では)わたしもコーチになって間もないころだったので、いい勉強をさせてもらいました。

 ▼元阪神・掛布雅之氏の話 小林さんが阪神に入団された79年は、前年に田淵(幸一)さんが西武へトレードになり、僕が中心になってやらなければ、と思っていた年でした。いい意味ですごく刺激になりました。小林さんに負けられないという気持ちが、その年の48本塁打につながったと思っています。

 ▼巨人・長嶋茂雄元監督の話 1976、77年のリーグ優勝に大きく貢献してくれたことを鮮明に覚えています。細身の体からは想像もつかないくらいスタミナがあり、本当に頼りがいがある投手でした。正直にいうと、阪神へトレードになったことは残念な思いでいっぱいです。現場の監督として悪いことをしてしまったという気持ちがいまだに残っています。若すぎる、早すぎる最期です。

 ▼ソフトバンク・王貞治会長の話 短い期間でしたが、阪神で一時代を築いた好投手でした。これから後進の指導や、多くの子どもたちに野球の素晴らしさを伝えてほしかっただけに、まだ57歳という若さで逝ったことは残念でなりません。

 ▼江川事件を知る坂井保之元西武球団代表の話 江川事件はいまだに語られる球界にとってマイナスの出来事。でも彼のある種のプロに徹した潔さ、すがすがしさで負の事件を終わりに導いた。拒否することもできる立場だったけど、彼の決断が多くの人に感動を与え、球界は救われた。

 ▼オリックス・岡田彰布監督の話 小林さんとはタイガース入団が同時期だったこともあり、大変お世話になりました。野球に関してもそうですが、プライベートでもよくしてもらったことを今でも思い出しますし、大変感謝しています。

 ▼江川卓氏の話 入団したときから小林さんの成績を抜かないと、と思ってやった。(共演したCMを撮影した時には)すごい元気だった。びっくりしている。その時「お互い大変だったな」という言葉を掛けてもらい、すごくほっとした。申し訳ないという気持ちは一生消えない。一生持ち続ける。

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2010年1月17日のニュース