V9時代支えた「鬼寮長」武宮氏が死去

[ 2010年1月17日 06:00 ]

15日に死去した武宮敏明さん

 元巨人捕手で、寮長時代は「鬼寮長」「鬼軍曹」などと呼ばれた武宮敏明(たけみや・としあき)氏が15日午後8時48分、急性すい炎のため東京・三鷹市の病院で死去した。88歳。熊本県出身。

 武宮氏は熊本工では元巨人監督の川上哲治氏の2学年下で、その後、社会人野球を経て47年に巨人入り。通算320試合に出場した。53年からはコーチ、2軍監督を務め、同時に川崎市内の合宿所「多摩川寮」の寮長に就任し、30年間にわたって指導。21カ条の寮則を作ったほか、夜10時の門限を破った選手には容赦なく鉄拳や竹刀を飛ばした。新人時代の王氏(現ソフトバンク球団会長)や元巨人監督の堀内氏は門限破りの常連で、武宮氏が寮の玄関で一晩中、竹刀を持って待ち伏せしていた話は有名だ。

 そんな「鬼寮長」の厳しい指導を受けた選手がV9の黄金期を築いた。83年まで寮長を務め、巨人・原監督も指導を受けた1人。寮長を退いた後もジャイアンツ球場に足を運び、松井、高橋由らにアドバイスを送った。厳しさの中にも温かさがあり、選手からの人望は厚かった。

 ◇武宮敏明氏葬儀日程
【通夜】18日(月)午後6時
【告別式】19日(火)午前11時30分
【場所】調布メモリードホール=東京都調布市菊野台1の10の2=(電)042(483)0983
【喪主】長男敏郎(としろう)氏

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2010年1月17日のニュース