野球観変わった!由規 松坂に念願“弟子入り”

[ 2010年1月17日 06:00 ]

アリゾナ州の施設でダッシュを繰り返す(左から)ヤクルト・増渕、西武・岩崎、西武・小野寺、レッドソックス・松坂、ヤクルト・由規

 ヤクルトの3年目右腕、由規投手(20)が15日(日本時間16日)、アリゾナ州の施設「アスリーツ・パフォーマンス・インスティテュート(API)」で自主トレを公開した。同所でトレーニングを行っていたレッドソックス・松坂大輔投手(29)に念願の“弟子入り”。高校時代からあこがれていた右腕とともにトレーニングを行い、昨季悩まされたマメの予防策を伝授されるなど収穫たっぷりの一日となった。

 思いもよらぬ“幸運”に喜びは倍増。由規は目を輝かせた。「一緒に同じメニューをやるとは聞いていなかったので、びっくりした」。松坂は小学校時代から大ファン。投球フォームも「松坂さんの物まね」と話すほど心酔する“師匠”と同じ施設で練習するだけではなく、合同練習が実現したのだから無理もない。

 屋内メニューで痛感したのは、体幹の強さの圧倒的な違いだ。「松坂さんはブレなかったり、一つ一つの動きもしっかりしている。僕は体幹が弱いので、しょっちゅう(トレーナーに)チェックを受ける」。同じ150キロ超の直球を投げられても大リーグやWBCなど修羅場をくぐってきた右腕との体の“質”の差は歴然だった。「野球観が変わります。比べちゃいけないのかもしれないけど。お会いして“こういうふうになりたい”というのを今まで以上に思うようになった」と20歳の右腕は表情を引き締めた。

 積極的に質問もぶつけた。「マメでずいぶん悩まされたので、それについて尋ねて参考になりました」。右手人さし指と中指のマメで、由規は昨年4度も戦線離脱。シーズンを通して安定した成績につなげられなかった。松坂自身は指先強化のため(1)壁やテーブルでトントン叩きタコをつくる(2)ふやけさせないよう、入浴時も指先は絶対に湯船に入れない――などの対策を施している。大先輩のアドバイス一つ一つに熱心に耳を傾けた。

 新人王を目標に臨んだ昨季は5勝10敗に終わり「だいぶ悔しい思いをした。今年に懸ける思いは強い。ひっくり返すくらい最低でもやりたい」と10勝5敗を3年目のノルマに定めた。同所では今後2週間、トレーニングを行う予定で「聞き足りないことはいっぱいあるし、まだまだやっている中で質問がいろいろ出てくると思う」。施設内の撮影はNGで、持参したビデオカメラが使えない誤算もあったが、その目にしっかり松坂の姿を焼き付ける。

 ≪田中はロバーツを質問攻め≫由規とともに渡米した1歳年上の増渕は「直球をどういうイメージで投げているか聞きたい」とリリース時の感覚などについて今後、松坂に積極的に助言を求める考えだ。また、同じ場所ながら別組で元日から調整を続けてきた田中はこの日が打ち上げ。オリオールズの正二塁手で、昨年WBCにも出場したロバーツを質問攻めにし「調整の仕方やシーズンの過ごし方とか、普段教えてくれないようなことも教えてくれた」と充実感を漂わせていた。

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2010年1月17日のニュース