プロ注目腕・大石 ビックリ“三刀流”

[ 2009年6月1日 06:00 ]

<慶・早>6回無死、慶大・湯本のゴロを倒れながら捕球し、一塁へ送球する早大・大石達也

 東京六大学野球春季リーグ戦第8週第2日は31日、神宮球場で早慶戦の2回戦が行われた。早大はMAX154キロ右腕で来秋のドラフト上位候補の大石達也投手(3年)が7番・遊撃でスタメン出場。2回に右中間三塁打を放つと、8回からは救援登板し2回無失点に抑えた。6―5で逃げ切った早大は2位で全日程を終了。

【試合結果
勝敗表・成績


 身体能力の高さをいかんなく発揮した。打って守って、そして投げての“三刀流”の活躍。「遊撃は公式戦では初めてです。凄い緊張しました。ゴロを捕るのは苦手なんで」。当の大石自身も驚いた様子だった。

 まずは打撃で魅せた。2回の第1打席で右中間を深々と破り「(野球人生で)記憶にない」という三塁打。次は守備。6回に中前に抜けそうな強烈な打球をダイビングキャッチ。すぐさま一塁に送球しアウトにする本職顔負けのプレーを披露した。最後は本職のストッパー。1点差の8回から登板し2回無失点で、チームを連勝に導いた。

 神宮での大学野球史上最速タイの154キロを誇り、同僚の斎藤とともに来秋ドラフトの上位候補に挙げられる逸材だが、50メートル6秒3の俊足で、打撃も今季は打率・375をマーク。入学直後にも一時遊撃にコンバートした応武監督は「遊撃の方がいいと僕は思っている。本当は3番を打たせたいくらい」と再転向を示唆したが、大石は「僕は投手の方がいい」と完全転向には難色を示す。「オフの話し合いで決める」(同監督)という大石の方向性はプロ関係者も気になるところだ。

 <慶大 拙守で4位終戦>先発の小室は投手の福井に左越えソロを浴びるなど4回途中5失点。連敗を喫し5季連続で早大から勝ち点を奪えず4位で終了した。3回には三塁手の梶本が逆転を許すきっかけとなる一塁悪送球。5回には2死一、三塁から2番手・田中宏が暴投で中押し点を与えるなど守備も不安定だった。上位3校に1勝もできなかった相場監督は「余分な点が多い。選手の考え方が甘かった」と振り返った。

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2009年6月1日のニュース