松井秀“激走”で3戦連続サヨナラに貢献

[ 2009年5月19日 06:00 ]

<ヤンキース・ツインズ>7回1死三塁、タッチアップし同点の本塁を踏む三走の松井秀喜

 【ヤンキース3―2ツインズ】ヤンキースの松井秀喜外野手(34)が17日(日本時間18日)、チーム37年ぶりとなる3試合連続サヨナラ勝ちに“激走”で貢献した。1点を追う7回、二塁打で出塁すると三進後に浅い左飛でタッチアップ。右太腿裏や左ひざが万全でない中、同点のホームを踏み、延長10回にデーモンがサヨナラ弾。今季最長の5連勝と波に乗るチームを、松井がしっかり支えている。

【ヤンキーススタジャン


 瞬時にフル回転した松井の頭脳がはじき出した答えは「いくしかない!!」。カブレラの浅い左飛で思い切って三塁を蹴った。1点を追う7回1死だ。定位置から前進して捕球した左翼手スパンの送球は一塁側へそれた。綱渡りの激走で追い付き、延長10回にはデーモンが10号サヨナラ弾。37年ぶりの3試合連続サヨナラ勝ちを呼び込んだのは、松井の決断力だった。
 「あそこは自分の判断。ちょっと迷ったが、イチかバチか。それてくれて良かった。いい返球だったらアウト」。暴走と紙一重の走塁を苦笑いで振り返った。右翼線へ2試合連続の二塁打で出塁し、三進。ここまでロドリゲスのソロによる1点に抑えられていた。左翼手の肩、捕球位置。そして自身のスピードを天びんにかけた。12日に発症した右太腿裏の張りは、まだ完治したとはいえない。「やはりちょっと怖いのでセーブした中で全力で走った」。大量点を望めない試合の流れの中で、勝負する場面だと自身にムチを振るった。
 右太腿はもちろん、手術明けの左ひざにも不安を抱える。「今年いっぱい、スピードが100%に戻るのは難しいかもしれない」とも漏らす。失ったスピードを補うため、何より正確な自己分析と状況判断が必要。「打って、走って、守ってが野球。すべてにおいて勝利に貢献したい」とDHに甘んじるつもりはない。走塁だけでなく、今季はまだ練習さえできない外野守備もあきらめず新品のグラブの手入れを怠ることはない。ジラルディ監督は「確かに盗塁の数は少ない。だが彼にはそれ以上の判断力と走塁技術がある」と走塁にも信頼を寄せる。
 「記憶にない。ずっと接戦をものにしているわけだから、当然雰囲気はいい」と巨人時代を含め初体験の3戦連続サヨナラ勝ちの輪に加わった。サヨナラ弾のデーモンはヒーローインタビュー中に恒例となったクリームを同僚に塗られ歓喜の泡にまみれた。今季初の5連勝で貯金は最多タイの3。バットだけじゃない野球人・ゴジラがヤ軍浮上をけん引している。

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2009年5月19日のニュース