楽天、3試合で27点 球団最多の貯金7だ

[ 2009年5月4日 06:00 ]

<楽・オ>8回、本塁打を放ったリックを両手を広げて迎える野村監督

 【楽天8-4オリックス】ビッグイニング打線だ。楽天は3日、1点を追う8回に5安打などで一挙に7点を奪い逆転勝ち。5試合連続2ケタ安打となる11安打8得点で、今季初の5連勝を飾った。貯金も球団史上最多の「7」とし、首位をガッチリとキープ。4月は72得点でリーグワーストだった打線が、5月に入り3試合で計36安打27得点と爆発。野村楽天の快進撃は止まりそうにない。

【楽天グッズ


 試合後のミスはご愛きょうだ。野村監督がウイニングボールをスタンドへ。だが、ボールはネットで跳ね返りベンチ上にコロコロ…。「肩が上がんねえんだよ。誰かに投げてもらえばよかった。七十肩だよ」。指揮官は照れ隠しに続き珍しくナインを褒めちぎった。
 「きょうは何だか勝てる気がせんかった。選手に感謝、感謝。ようやってくれました。春の珍事は長い方がいいな。もう、3カ月くらい春が続いてくれんかね」
 好調の打線が野村野球と融合した逆転劇は、1点を追う8回だった。1死一、二塁から山崎武が左中間フェンス直撃の同点二塁打。4番の一打で野村監督がひらめいた。なおも二、三塁で三塁走者の草野に代走・小坂を送った。小坂は続く中村紀のボテボテの二ゴロ(記録は野選)で本塁突入。送球がわずかに浮いた分、間一髪で勝ち越しのホームに滑り込んだ。球団初の地元選手(仙台出身)は「キャッチャーにつぶされると思ったけど、この小さい体で一生懸命、走りました」と初のお立ち台で振り返った。
 このプレーは野村監督就任後、徹底された攻撃のスペシャルプレー「ギャンブルスタート」だった。三塁走者がバットにボールが当たった瞬間にスタートするため「ゴロ、ゴー」よりも難易度は高い。野村監督は「ギャンブルスタートは事前には言ってあった。打つべき手は打っておかないといかんね。まあ今まで通り弱者の戦い方で行きますよ」と謙虚だったが、名采配が鉄平の右前適時打、リックの1号3ランにつながり球団史上初めて5得点以上のビッグイニングを3試合連続でマーク。「巨人でもないんじゃない」とご機嫌だ。
 関係者からウイニングボールが手元に回ってきた山崎武は「監督、さえてたね。あの交代がすべて。普通、あんなところで(走者を)代えないもん」と笑顔。貯金7は昨年6月8日の6を更新する球団最多。“適材適所”の野村野球が浸透した快進撃は、まだ終わりそうにない。

続きを表示

2009年5月4日のニュース