坂本が止まらない!巨人、虎狩り11連勝

[ 2009年5月4日 06:00 ]

<神・巨>互いの健闘をたたえあう2安打の坂本(左)と今季初勝利のゴンザレス

 【巨人4-0阪神】20歳の若武者の活躍で68年前の“伝説”に並んだ。巨人の坂本勇人内野手(20)は3日、阪神戦で2回の左前先制打を含む2安打2打点。チームは1941年以来となる球団記録の対阪神戦11連勝をマークした。前日の球児討ちに続く恐怖の8番による虎退治。4日は球団記録更新がかかる一戦。打率を再び4割に乗せた坂本が新たな歴史の扉を開く。

【巨人グッズ


08年2月9日 「タダ者じゃない」 開幕スタメンアピールの2安打4打点

 泥だらけのユニホームで試合終了を迎えた坂本は、2日続けて歓喜の輪の中心にいた。プロ入り初の1試合2発から一夜。この日は先制点を含む2本の適時打で2安打2打点。スタンドを去る虎党を尻目に「投手陣が常に頑張っているので、チャンスで回れば必ず打つ気持ちで打席に入ってます」。“恐怖の8番打者”は力強く言い切った。
 野球の神様はいきなりチャンスを与えた。2回2死一、二塁。阪神の先発は同じ20歳の新外国人右腕・ジェン。その6球目のフォークを左前に運んだ。「(ジェンは)イメージよりも横から投げていた。来た球を打つ意識でした」。想定外のリリースポイント。坂本はいったん高く上げた左足を蹴り出すように前に出して、地面に着地させるタイミングを遅らせて対応した。
 6回1死二、三塁でも左前適時打を放ち、今季の阪神戦は17打数8安打で打率・471、2本塁打、6打点。前日、リーグトップに返り咲いた打率も“ライバル”の金本の前に転がす2安打で、・402にまで引き上げたが「まだ5月の初めなので、数字は意識せずやっていきます」と自然体を強調した。原監督も「いい場面でしっかり打点を挙げている。存在感があるし、非常にいい仕事をしている」と賛辞を惜しまなかった。
 全試合先発出場を果たした2年目の昨季からの進化は、技術と体力だけではない。弱点を補う工夫があった。他の選手がそのままバットを握るティー打撃時、坂本は滑り止めスプレーをたっぷりと噴きかける。昨季から進化した上半身と下半身のパワーを、余すことなくバットに伝えるための工夫。「僕は握力があまり強くない。自分で考えてやってます」と話す3年目に、篠塚打撃コーチも「僕も知らないところで考えたり研究したりしている」と目を細める。
 3戦連続で零敗を喫した後の3連勝。これで貯金も今季最多タイの9とした。最初は「阪神戦11連勝?過去のこと」と無関心を決め込んだ原監督も「プロを代表する舞台(甲子園の阪神戦)で結果を残しているのは評価できる」とナインを褒めた。坂本も「1試合1試合、全部勝つつもりでやってます」。“虎キラー”が今度はチームを新記録の12連勝へと導く。

続きを表示

2009年5月4日のニュース