坂本 清原以来の10代アーチも…

[ 2008年11月10日 06:00 ]

<日本シリーズ 巨・西7>2回無死 坂本は左越えソロを放つ(撮影・三島 英忠)

 【巨人2-3西武】巨人・坂本はじっと動かず、西武ナインの歓喜を見つめた。試合終了直後のベンチ。またたく間に目は赤く染まっていった。胴上げが始まる直前、ベンチ裏へ下がった。

 ヒーローになりかけた。1点リードの2回無死、カウント0―2から西口の投じた真ん中外寄りの直球をフルスイング。打球は左翼席に飛び込んだ。日本シリーズでの10代の本塁打は86年の清原以来、4人目の快挙。「きのうの試合はチャンスで打てなかったことが本当に悔しかった。でも監督はきょうもスタメンで使ってくれた。何とか期待に応えたい一心でした」。第6戦は4回のチャンスで凡退。それでも原監督は先発で起用した。ダイヤモンドを1周すると感極まって涙を流した。遊撃でも7回の守備機会を軽快にこなしたが、最後は悔し涙となった。
 それでもまだ19歳。開幕から155試合、全試合に先発出場を果たした足跡が色あせることはない。「1軍で最後まで経験できたことは良かった。でも課題はある。パワーもスピードもまだまだ上げたい」。悔し涙を成長につなげる時間はたっぷりある。坂本のプロ野球人生はまだ始まったばかりだ。

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2008年11月10日のニュース