上原 ようやく念願のメジャー移籍へ

[ 2008年11月10日 06:00 ]

<巨・西>試合前、笑顔を見せる上原

 巨人の上原浩治投手(33)が、ついに日本球界を去る。日本シリーズが9日、終了し、10日からフリーエージェント(FA)宣言が解禁。上原は今季取得したFA権を行使しての大リーグ移籍が決定的で、早ければ今月中にも家族とともに渡米し、米国の環境などを視察する。先発、中継ぎ、抑えをこなせる器用な投手だけに、争奪戦は必至だ。

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 上原の思いは誰にも止められない。プロ10年目にして、ようやくつかんだメジャー挑戦切符。4月4日にFA権を取得し、同7日の会見ではプロ入り前から変わらぬ心境を吐露した。「入団した時からの目標でもあったんでね。そういう気持ちは10年間、全く変わってない。夢としてはとらえていない。目標として10年間ずっとやってきたんでね。そういう時がやっと今年来たと」
 先発復帰した今季は春先に2軍落ちするなど苦しんだ。当時、メジャーのあるスカウトは「米国の評価は昨年の薮田、小林雅と同じくらいになる」と話していた。だが、北京五輪から帰国後に先発復帰すると、本来の状態に戻った。球の切れや制球力は全く衰えていないことを証明。9月28日の中日戦(ナゴヤドーム)には、マリナーズがボブ・エンゲル国際スカウト部長を派遣するなどメジャーの動きも慌ただしくなり「昨年の黒田に準ずる評価にまでなっているのでは」と話すスカウトもいた。米国の金融危機で年俸は4億~5億円程度になる公算が高い。だが、上原は金額ではなく環境を優先する。
 この日の試合後は「特に何もないよ」と話すにとどまったが、関係者によれば家族を連れて渡米する意向。メジャーとの交渉は20日に解禁となり、早ければ今月中にも海を渡り環境面などを視察する。争奪戦は確実。その中で日本人が住みやすい都市で、できれば日本人選手がいない球団を第1候補に絞っていくことになりそうだ。

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2008年11月10日のニュース