“代役”鶴・亀コンビが大暴れ!

[ 2008年10月26日 06:00 ]

<巨・中>ファンが祝福する中、場内一周する巨人ナイン

 【巨人6-2中日】巨人の代役たちがチーム6年ぶりの日本シリーズ進出をもたらした。右肩関節挫傷でCSを欠場した正捕手・阿部に代わって鶴岡一成捕手(31)がその穴を埋めれば、2戦目以降、不動の1番に座った亀井義行外野手(26)は4試合で打率・500の働きを見せた。“鶴・亀コンビ”に加えて、寺内崇幸内野手(25)は負傷交代した小笠原に代わって8回の勝ち越しを演出。控え組の層が厚みを増したことで、昨年3連敗を喫した中日に雪辱した。

【巨人優勝パネル


 亀井は堂々と胴上げの輪に加わった。鈴木尚の代役としてチームを救った男は、笑顔だった。セレモニーを終え、心地良さそうに汗をぬぐった。
 「何と言っていいのか。鈴木さんがケガをして出番が来て、たまたま結果が出た。僕にとっては日本シリーズも初めてなので、持ち味を出して頑張りたい」
 8回2死一、三塁では初球を中前に運び、ダメを押した。積極的な打撃は最後まで変わらない。23日の第2戦から不動の1番として14打数7安打、打率・500。悔しさが原動力だった。「去年はリーグ優勝で監督の胴上げには呼ばれたんですけど、ビールかけには参加しないで家に帰ったんです。今年こそはという思いで1年間やってきた」。昨年はわずか20試合の出場。今季も5月に右足首を負傷し、2カ月間戦列を離れた。最後の舞台で、思いをぶつけた結果だった。
 6月に横浜からトレードで移籍した鶴岡もチームを救った。CSでの一番の懸案は、阿部の穴をどう埋めるかだった。それが全試合でスタメンマスクをかぶり、前日は川上から一発を放つなどバットでも貢献。この日も8回に左前タイムリーを放った。「最初は少し浮いていたかもしれないけど、今はチームに慣れた。貢献できて良かった。やっと終わった」。しんみりと語った。阿部からは「お疲れさまでした」との言葉をもらい「慎之助が一番頑張っていて…。オレはまだまだだよ」と振り返った。
 負傷交代した小笠原に代わり5回の守備から三塁を守ったのは、今季1軍デビューした寺内だ。同点の8回には先頭で左翼線二塁打。ラミレスの決勝弾を演出し「ずっと試合に出たいと思っていた。中途半端は嫌だったので思い切り行った」と胸を張った。
 試合後の共同会見。原監督は言った。「一人一人が自立したチームになった。みんなで支え合いながら、出しゃばりあいながら、みんながアピールした」。代役トリオの年棒合計はわずか4300万円。13ゲーム差をはね返した背景には、戦力の底上げがあった。シリーズ進出を支えたのは、レギュラー以外の選手たちだった。

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2008年10月26日のニュース