スポクラ銀の野中 伸び悩んだ中学時代支えた「今に見てろと笑ってやれ」

[ 2021年8月7日 05:30 ]

東京五輪第15日 スポーツクライミング女子複合決勝 ( 2021年8月6日    青海アーバンスポーツパーク )

女子複合で2位となり、銀メダルを手に笑顔の野中生萌
Photo By 共同

 小学生の頃、野中は友人らから「ガリ」と呼ばれていた。筋肉もなく、ガリガリに痩せていたから。だが、「成長期で一気に肉付きが良くなって」と言う中学生になると、体重が増えたという。

 ホールドに届くイメージは描けるのに、実際に手を伸ばすと届かない。距離感のズレは深刻で、クライミングの成績は下降した。悔しくて、ノートに自分の思いをぶつける日々。「なんでこんなに結果が出ないんだ」。手が疲れて書く意欲を失うまで、ペンを握り続けた。

 そんな時、姉の部屋に貼ってあったフレーズが心に響いた。「今に見てろと笑ってやれ」。以降、この言葉を胸に刻んできた。

 もう一つ、伸び悩んでいた中学時代を支えたものがある。「ずっと、根拠のない自信がどこかにあった。将来は大丈夫って」。あの時の直感が正しかったことを、24歳は自国開催の大舞台で証明した。

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