酷暑の男子50キロ競歩…川野おう吐6位 ゴール後に車いすで搬送 57人中10人が途中棄権

[ 2021年8月7日 05:30 ]

東京五輪第15日 陸上 ( 2021年8月6日    札幌市内 )

男子50キロ競歩、体に水をかけ2位集団に食らいつく川野(撮影・西海健太郎)
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 涼しいはずの札幌がしゃく熱レースに様変わりした。異例の暑さの中で行われた男子50キロ競歩は出場選手57人中2割弱にあたる10人が途中棄権した。6位に入った川野将虎(22=旭化成)は42キロ手前でおう吐し、フィニッシュ後には車いすで搬送。「暑さにやられてしまった部分があった。熱中症もあって全身がけいれんした」。ダメージは大きく、報道陣には時間をおいて音声による感想が届けられた。

 スタート時刻の午前5時半には26度だった気温が徐々に上がり、フィニッシュの9時すぎには31度を観測。湿度も80%前後で、優勝候補で世界記録保持者のディニズ(フランス)ですら途中棄権する過酷な環境だった。東京の暑さを避けるために開催地を移転したが、関係者は「この暑さは(移転を主導したIOC会長の)バッハに文句を言ってくれよ」と皮肉交じりにこぼした。

 ▼30位勝木隼人 (序盤に)くつひもがほどけてしまって、結び直した。入賞やメダルは狙っていけると思ったが、いいところが一つもなく終わってしまった。

 ▼32位丸尾知司 金メダルを獲りたかったので、前に出ている選手を捕まえたいという思いが強くなりすぎてエネルギーを使ってしまった。

 ≪50キロ廃止に反対相次ぐ≫男子50キロ競歩のメダリストがレース後に記者会見し、IOCが東京五輪を最後に同種目を廃止するという方針に反対意見が相次いだ。銀メダリストのヒルベルト(ドイツ)は「50キロ競歩をなくすのはミス。本当に残念だ」と憤った。銅メダルを獲得したダンフィー(カナダ)は「(廃止は)本当に残念。IOCと世界陸連の大きな失敗だ。50キロ競歩は五輪に残すべきだ」と強い口調で語った。

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2021年8月7日のニュース