一子相伝だった劉衛流 喜友名の恩師・佐久本師範「彼は努力の天才」

[ 2021年8月7日 05:30 ]

東京五輪第15日 空手 ( 2021年8月6日    日本武道館 )

空手男子形決勝、スタンドの仲間に向かってうっすらと笑みを浮かべる喜友名諒(撮影・北條 貴史)
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 全日本空手道連盟の形監督で、劉衛流龍鳳会で喜友名を指導する佐久本嗣男師範(73)はこの日、コートサイドから愛弟子の演武を見守り「彼は努力の天才。男にさせたかった」と肩の荷を下ろした。

 劉衛流は難易度の高い形が多く、長らく一子相伝の流派だった。元々剛柔流だった佐久本氏だが、4代目の憲孝氏に弟子入りを許され修業。指導者としても喜友名ら数々の世界チャンピオンを育成した。

 2人の出会いは喜友名が中3の頃。中2で全中を制覇したが、次に日本一になったのは大学3年の時だ。佐久本氏は「“勝ちに行く”力はあった。例えば呼吸。本来はしてはいけない場面で、息を吐けば(迫力が出て)評価が上がる場合がある。それでも諒はやらなかった」と回想する。

 形本来の意味を無視し、得点稼ぎに走れば勝つ実力があったが、目先の勝利に走らなかった。その姿勢が今につながっている。

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2021年8月7日のニュース