14歳・玉井陸斗は7位入賞 寺内健以来同種目で21年ぶりの快挙

[ 2021年8月7日 16:20 ]

東京五輪第16日 男子高飛び込み決勝 ( 2021年8月7日    東京アクアティクスセンター )

<東京五輪 飛び込み 男子高飛び込み準決勝>8位で決勝進出を決めた玉井陸斗(撮影・北條 貴史)
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 男子高飛び込みは決勝が行われ、玉井陸斗(14=JSS宝塚)が431・95点で7位だった。日本男子の高飛び込みの入賞は、2000年シドニー五輪で5位だった寺内健以来、21年ぶり。

 6日に行われた予選では、5回目を終えて21位と追い込まれていたが、最後の6回目で難しいひねり技を決めて逆転で準決勝進出。この日の準決勝でも落ち着いた演技で8位に入り、日本勢男子では寺内以来21年ぶりとなる決勝進出。「8位入賞までいきたい。上はいけるところまでいきたい」と意気込んでいた。

 1回目は72・00で6位とまずまずのスタート。2回目は86・40と得点を上げると、3回目には予選で、4回目には準決勝で失敗していた技を決めてみせた。5回目に入水で大きなしぶきがあがる失敗ジャンプとなったが6回目にきっちり得点を上積みし、入賞圏内を守った。

 この日は、寺内の41回目の誕生日。自身が尊敬する五輪6度出場のレジェンドの記念すべき日に、結果を出してみせた。

 シニアデビュー戦となった2019年4月の日本室内選手権を12歳7カ月10日の最年少で制し、一躍“東京の星”として注目を浴びた玉井。順調に成長を重ね、今年5月のW杯東京大会で五輪切符を獲得した。シニアデビューから約2年、成長期のため身長は12センチ伸び、体重は15キロ増加。体が大きくなったことで持ち味の回転力が落ちる危険性があったが、計画的な筋力トレにより回転軸のぶれない体づくりに成功した。

 尊敬する選手は五輪6度出場の“レジェンド”寺内健(40=ミキハウス)。踏み切り姿勢など技術面から、脱いだ服を丁寧に畳むなど生活面まで見習っている。寺内から「天才的なスキルを持つ恐るべき逸材。怪物です」と称される一方「落ち着きすぎていて中学生のキャピキャピ感はない」といじられる今大会の日本選手団で男子最年少の14歳。悲願の表彰台には届かなかったが、決勝の舞台で躍動感ある演技で魅了した。

 ◆玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年(平18)9月11日生まれ。兵庫県宝塚市出身の14歳。3歳から通っていたスイミングスクールの隣のプールで開催されていた飛び込み教室を体験したことがきっかけで、小学1年から競技を始める。シニアデビュー戦の19年日本室内選手権で優勝も、年齢制限で世界選手権代表になれず。19、20年と高飛び込みで日本選手権連覇を果たした。1メートル55、51キロ。

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