青学大“想定内”２位　往路連続Ｖ途切れるも総合Ｖ４逆転圏内

第９４回箱根駅伝往路 （ 2018年1月2日    東京・大手町～箱根・芦ノ湖、往路５区間１０７・５キロ ）

２区・森田（左）３区・田村（右）に肩を抱かれ引き揚げる青学大・５区の竹石
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　想像以上の采配を振った敵将に青学大・原監督は脱帽した。一度も首位に立てず２位。往路の連続優勝が３年で途切れた。大会前に掲げた「ハーモニー大作戦」に引っ掛け「チューニングがまずいところもあったが、それ以上に東洋大が強かった」とライバルに賛辞を贈った。

　思い通りのレースはできなかった。２２秒差の２位でたすきを受けた３区の田村和希（４年）が終盤でまさかの失速。大学３大駅伝で５度の区間賞を誇るエースは残り５キロで東洋大に一気に引き離され、「完全に東洋大に力負けした。追う気持ちで走ったのは今回が初めて」と悔しがる完敗だった。

　２分３秒差でたすきを受けた５区の竹石尚人（２年）は「山は自分のリズムで淡々と走る」と序盤はテンポよく駆け上がり、一時は１分以内まで詰めた。だが、下りに入った１６キロすぎにアクシデントに見舞われた。太腿裏と両ふくらはぎをつって立ち止まった。素早く足を伸ばし、追走を再開したが、１９キロを過ぎたところで再びストップ。逆転ペースから一転して、後味の悪い２位でのゴールとなった。初出場の竹石は「足をつりながら走りきり、美化されるところがあるかもしれない。でも足がつって止まるのはあり得ないこと。この悔しさは競技生活で絶対忘れない」と厳しい表情を崩さなかった。

　それでも１位とは３６秒差。原監督は大会前に「１２０％」とした“ハーモニー指数”を「９０％くらい」と表現したが、十分逆転圏内だ。復路には盤石の布陣がそろう。６区に好調の小野田勇次（３年）が控え、８区には“ジョーカー”の下田裕太（４年）を投入する。「３６秒差は大ブレーキでも何でもない。想定内。間違いなく逆転できる」。音律を調えて、最終楽章を迎える。