大東大“重戦車”4強 総重量差73キロ、最強スクラムで圧倒

[ 2017年12月24日 05:30 ]

ラグビー全国大学選手権準々決勝   大東大33―28慶大 ( 2017年12月23日    東京・秩父宮ラグビー場ほか )

<大東大・慶大>前半、タックルする大東大・河野(右)
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 関東大学リーグ戦を22季ぶりに制した大東大は慶大に33―28で競り勝ち、2季ぶりに準決勝(来年1月2日、秩父宮)進出を決めた。21―0のリードから4トライを連取されて逆転を許したが、その後再逆転。大学最強のスクラムを武器に、1994年度以来23季ぶり4度目の大学日本一にあと2勝と迫った。9連覇を目指す帝京大、東海大、明大も準決勝進出を決め、関西勢は姿を消した。

 5点リードで残り1分。フランカー河野主将の猛烈なタックルが相手ノックオンを誘うと、スタンドのベンチ外メンバーはこの日一番の雄叫びを上げた。リーグ戦優勝を事実上決めた11月18日の東海大戦で「3回外れた」という右肩が再び外れた河野は、その場で右腕を左手で引っ張り“治療”。「痛みはあったけど大丈夫でした。しんどい試合をものにできて自信になる」と柔和な表情で語った。

 前半23分までに3トライ3ゴールでリード。特にFW8人の総重量で73キロも上回ったスクラムでは圧倒し続けた。前半12分には敵陣5メートルライン上で相手がコラプシングを2度繰り返し、認定トライで先制点。張り直しが繰り返された芝の状態は最悪だったが、フッカー平田は「滑らないようにいろんなところで練習をしてきたので」と胸を張った。

 春にはスクラムの強さがあだとなり、チームが崩壊した。5月28日の流通経大戦。FW陣が踏ん張る一方、バックスが簡単なミスを繰り返し、他でもない平田がぶち切れた。試合中に口げんかが勃発。後半に5連続トライを許して逆転負けし、チーム状態は底に落ちたが、同時に浮上のきっかけとなった。夏合宿はミーティングを繰り返して関係を修復。リードを許した後は15人一体の攻撃で2トライを奪い再逆転し、青柳勝彦監督は「昨年よりも得点能力は低いので、小差の試合は覚悟していた」と話した。

 1986、88、94年度に大学日本一となり「モスグリーン旋風」と呼ばれた。今季の大東大には当時のような豪快な個人技だけではなく、組織力に裏打ちされた強さがある。

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2017年12月24日のニュース