ジョセフ・ジャパン大健闘 敵地で強豪ウェールズに終了間際まで同点

[ 2016年11月20日 05:30 ]

ラグビー リポビタンDツアー2016 ( 2016年11月19日    カーディフ )

後半、トライを決める福岡

 世界ランキング11位の日本は同6位のウェールズと対戦し、30―33で惜敗した。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC=46)体制となって3戦目の日本は、前半終了間際にWTB山田章仁(31=パナソニック)が60メートル独走のトライを奪うなどして前半を13―14で折り返し。敗れはしたものの、終了間際まで同点で粘る健闘を見せた。日本は26日に世界ランク10位のフィジーと仏ヴァンヌで対戦し、今年の全テストマッチを終える。

 真っ赤に染まったスタンドを沈黙の海に沈めた。8点を追う前半37分、代表2キャップ目のフランカー布巻が好タックル。相手が出した苦し紛れのパスをWTB山田が拾うと、そのままインゴールまで60メートルを独走した。SO田村のゴールも決まり1点差で前半を折り返す大きなトライ。日本の力が本物であることを世界6位に証明した。

 後半は一時11点差を付けられたが、同14分には連続攻撃で崩し、最後はWTB福岡が左隅にトライ。再び離されても食らいつき、同33分には途中出場のロトアヘアのトライとゴールで30―30の同点に追いついた。最後は相手に勝ち越しのDGを決められたが、最終盤まで相手を追い詰めた。

 過去の対戦成績は日本の1勝8敗。唯一の勝利は直近の対戦だった13年6月15日に秩父宮で迎え撃った時のものだが、当時よりもタフな戦いだった。7万4500人を収容するプリンシパリティースタジアムのチケットはほぼ完売。13年の来日時は英国選抜にあたるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズの遠征で主力15人が不在だったウェールズだが、この日の先発総キャップ数は日本(342)の約2倍の638。掛け値なしに強敵に大汗をかかせた。

 リーチら昨年のW杯の主力が不在の中、大敗すら予想された一戦での大健闘。日本ラグビーが新たなページに入ったことをはっきりと証明した。

 ▼WTB山田(前半37分に独走トライ)残念ですけど、これをいい経験にして次に生かしたい。(大観衆に)スポーツ選手として非常に幸せな試合でした。気持ち良かったです。最後は勝って日本に帰りたい。 

 ▼ウェールズウォーバートン主将 日本を軽視したわけではなかった。強いチームを組んだが、最後まで苦しめられた。日本はよくやった。私たちはミスが多く、日本はそれを生かした。

 ◇ウェールズ代表 最新の世界ランキングで6位の強豪。1881年に協会が設立され、同年にイングランドと初のテストマッチを実施したラグビー伝統国の一つ。欧州6カ国対抗(前身大会を含む)ではイングランドに次ぐ26度の優勝を誇る。W杯は87年の第1回大会から8大会連続出場中で、最高成績は87年の3位。昨年のイングランド大会はベスト8だった。

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2016年11月20日のニュース