愛 5差大逆転V!国内メジャー海外勢連勝7ストップ 

[ 2016年9月12日 05:30 ]

<日本女子プロゴルフ選手権最終日>優勝カップを手に笑顔の鈴木愛

日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日

(9月11日 北海道登別市 登別カントリー倶楽部=6750ヤード、パー72)
 大逆転でメジャー2勝目を飾った。首位と5打差の10位から出た鈴木愛(22=salesforce)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算1オーバー、289でツアー通算3勝目を挙げた。鈴木が14年大会を制してから国内メジャーは7戦連続で外国勢が優勝したが、自身の大会2勝目でそれを止めた。1打差の2位に大山志保(39=大和ハウス工業)と下川めぐみ(33=環境ステーション)が入った。

 1カ月分のうっぷんを晴らすバーディーだ。最終18番。鈴木は4・5メートルのスライスラインをねじ込み、何度も右手を握った。「3アンダーで回ればプレーオフには残れると思っていた。最後のパットは練習の成果が出た」。いつも最後まで練習場に残り、日が落ちるまでクラブを振り続ける練習の虫がゴルフの神様を振り向かせた。

 5月に今季初優勝を飾ったが、以降は惜敗の連続だった。8月のmeijiカップ、2週前のニトリ・レディース、先週のゴルフ5レディースといずれも首位で最終ラウンドを迎えたが、崩れて優勝には届かなかった。母・美江さんには「もう勝てないんじゃないか」と漏らすほど。だが、だからこそ「練習しないとトップにはなれない」とよりクラブを無心に振った。最近はショートパットに苦しみ、今大会も3日間はクロスハンドグリップ。だが、前日の練習で「順手に戻したらストロークが良かった」と感覚をつかみ、最終日は3番で7メートル、6番で5メートルを沈めるなどして5打差をひっくり返した。

 クラブの契約先が同じで鈴木が「お姉さん」と慕う大山志保は「愛ちゃんは良い意味で人の話を聞いていない。ちくわみたいに右から左に話が抜けていく」と親しみを込める。鈴木が14年大会でツアー初優勝を飾ってから国内メジャーは7戦連続で外国勢が優勝とあって周囲からは鈴木に期待する声も上がっていたが、「(連勝を)止めなきゃという責任感はあったけど、自分は自分と思っていた」と“ちくわ”ぶりを発揮。プレッシャーにつぶされることなく自身の勝利で連敗にストップをかけ「日本のメジャーなので日本人が勝ちたいし、私も“もう一度”と思っていた」と喜んだ。

 次の目標は11月のスポニチ主催TOTOジャパン・クラシック(茨城・太平洋C美野里C)で優勝することだ。米ツアーも兼ねるため優勝すれば来季の米ツアーのシード権が得られる。「勝って米国に挑戦したい。自分にプラスになることも多いと思う」。向上心の塊はさらなる高みを見据えた。

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