福原愛「本当に苦しい五輪でした」涙の団体銅!倒れるほどの練習実った

[ 2016年8月17日 05:30 ]

銅メダルを決め、涙の(右から)福原、石川、伊藤

リオデジャネイロ五輪卓球・女子団体3位決定戦 日本3―1シンガポール

(8月16日 リオ中央体育館)
 愛ちゃん涙の銅メダル!卓球女子団体の3位決定戦が16日行われ、日本は3―1でシンガポールを下し、2大会連続のメダルとなる銅メダルを獲得した。日本は第1シングルスで福原愛(27=ANA)が敗れたが、第2シングルスでエースの石川佳純(23=全農)がシングルス世界4位をストレートで破りタイに。福原・伊藤美誠(15=スターツSC)のダブルスも勝利すると、最後は第3シングルスの伊藤も勝って表彰台を決めた。

 伊藤の勝利を見届けると、福原の目から涙があふれた。個人戦のシングルスでメダルを目前で逃し、団体戦準決勝では勝利まであと2ポイントと迫りながら敗れた。苦しんで手にした2大会連続のメダルに、熱いものが止まらなくなった。「本当によかったです。足を引っ張ってばかりで、みんなに感謝してます。おととい(14日)も負けてしまって、思い出しては後悔していた。死ぬ気で勝ちにいきました。今大会はいい試合もあったけど、悔しい試合もあった。本当に苦しい五輪でした」。

 3位決定戦も苦しいスタートだった。福原は第1試合のシングルスでは世界ランキング13位のユに1―2から粘って第5ゲームに持ち込んだものの、2―3で敗れた。2日前の準決勝でドイツに負けた悪い流れを引きずったかに見えた。しかし、最年長の27歳は意地を見せた。第3試合の伊藤と組んでのダブルスでは右太腿にテーピングをして登場。気迫のこもったプレーを繰り広げた。ユ・ジョンウ組を3―1で下し、再び日本に流れを呼び戻した。第4試合のシングルス伊藤にプレッシャーを軽減する形で引き継いだ。

 銀メダルを獲得したロンドン五輪後、2つの敵と闘ってきた。年齢から来る限界説と、度重なる故障だ。雑音は毅然(きぜん)と受け流してきた。

 「いい成績を出せば出すほど、次悪かったらどうしようとか、もう福原は駄目だと言われたらどうしようと思ってきたから、今に始まったことではないんです」。

 14年の左足小指の疲労骨折。3カ月間、戦列を離れた。ここで、他競技の選手と触れ合ったことが故障を乗り換える要因になった。

 国立スポーツ科学センターのリハビリ室には多種多様な選手が再起を懸けて、満足に動けない現状と向き合っていた。「みんなで励まし合って。私はプレーができない重傷で、練習はできなかったけど他の部分で成長をさせてもらった」。サッカー元日本代表の内田篤人とも同じ空間で汗を流し、アスリート談議に花を咲かせたこともあった。この時もらった刺激は、リオ直前の鹿児島奄美大島合宿にも生かされた。「毎日、体育館から出れば倒れるぐらい練習をした」。苦しみを分かち合った仲間の姿を思うと、中途半端な取り組みなどできなかった。その仲間、最強トリオで見事にロンドン五輪に続き、再び表彰台に上った。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月17日のニュース