熊本への恩返し胸に…山口茜 涙の敗退 ミス連発に「これが実力」

[ 2016年8月17日 10:35 ]

奥原希望との日本人対決に敗れた山口茜(AP)

リオデジャネイロ五輪バドミントン・女子シングルス準々決勝 山口茜1―2奥原希望

(8月16日)
 これまで国際大会で戦った5試合、いずれもストレート負けを喫してきた日本の女王・奥原を相手に、山口が大舞台でいきなりゲームを奪う好スタート。それだけに逆転で試合を落とした直後はしばらく涙が止まらなかった。

 「最初は全力で行こうと思って、それができたので悔いはありません」。そう潔く話したものの、再び涙をぬぐった。

 長いラリーになっても、慌てることなく好機を待ち、奥原を崩して奪った第1ゲーム。しかし、第2ゲーム以降は攻め急いだのかミスを連発。その隙を格上の奥原が見逃してはくれなかった。「これが今の実力」。山口は金星を逃して肩を落とした。

 所属する再春館製薬所は熊本県益城町にあり、4月に地震に襲われた。「お世話になった人に元気になってもらいたい。明るい話題を届けたい」と恩返しを誓ったリオの舞台。「思いを背負ってきて、それをかなえられなかったのは悔しい」と唇をかんだが、スタンドに駆け付けた応援団からの拍手は温かかった。「笑って終わることは難しかったけど、この経験を生かしてもっと強くなりたい」。19歳の顔に最後はようやく笑みが戻っていた。

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